見出し画像

ボーナスが嫌いなサラリーマン

年度が変わり、大体のサラリーマンの方はそろそろ目標管理資料を作成する時期になっているかと思います。
目標管理資料はおおむね半年に1回、自分が立てた目標に対してどの程度達成できたかを振り返り、反省や継続すべきことの確認をしたり、組織全体の目標に対して自分が貢献できることを考えて次年度の目標を立てたりすることで、自律的なスキルアップやキャリアアップの助けとすることを目的とする資料です。



はい。よくできました(笑)
建前を理解することはサラリーマンにとってとても大事ですが、ぶっちゃけ「こんだけやったからボーナスをたんまりとよこせ!」という意思表示のための資料だと思っています。

この時期になると、ボーナス商戦と銘打って様々な新商品などが市場に出てきて、ガジェット好きには楽しい季節です。
しかし、個人的にはこのボーナスという制度があまり好きじゃありません。

年収の計算

年収の話をするとき、多くの人はボーナス込みの金額を意識すると思います。一部の転職サイトでは、現職の年収を``月給 + ボーナス + 残業代``で記載することもありますが、ざっくり年収と言われて``月給 * 12``の金額を出す人はいないと思います。

例えば、ボーナスが年間4か月分あるという会社の場合、6月と12月の2回に分けて2か月分ずつ支給されて、残業代を考慮しない場合の年収は``月給 * 16``で大体算出しているはずです。この会社で年収600万円をもらっているとすると、月給は37.5万円、ボーナスは1回あたり75万円となります。

|                   | 月給(万円)  | ボーナス(万円)  | 年収(万円)  |
| ----------------- | ------------: | ----------------: | ------------: |
| 1回あたりの支給額 |          37.5 |              75.0 |               |
| 年間の支給額      |         450.0 |             150.0 |         600.0 |

こうしてみると、ボーナスが年収に占める割合はかなり高いと感じます。

ボーナスは会社への貸付金

ボーナスは、給料の一部を会社に貸し付けているようなものだと思っています。もちろん返済の義務が発生するような性質のものではありませんが、感覚的には納得いただけるのではないかと思います。

会計の実務はあまり詳しくないですが、会社が社員の人件費を計算するときには毎月の給与とは別に、賞与引当金のような科目でボーナスの支払いに備えてお金を準備しているはずです。このことからも、個人の年収の約25%は会社から年2回払いの分割で受け取っている、と考えてもよいと思います。

しかも、通常の貸付金のように利子もつきません。

業績が悪ければ減額もある

ボーナスの金額の決定方法は、大体がその期の業績によって決まると思います。業績が悪ければその分全体の原資が減り、逆に業績が良ければ全体の原資は増えます。全体の原資を部署ごとの業績や人数に基づいて分配し、さらに個人ごとの業績によって分配、という流れが一般的でしょうか。

確かに、自分が業績に貢献した分だけ金額に反映されて、ボーナスとして返ってくる、と信じられるならいい制度だと思います。しかし、往々にして会社の人数が多くなるにつれて、全体の業績に対する個人の貢献は見えづらくなっていきますし、自分のコントロールできない部分で業績が悪化することもあります。

個人的に一番納得がいかないのは、「構造改革費用がかさんだために収益が悪化した。」という類の話ですね。構造改革費用というのは、早い話リストr、、、もとい早期退職制度、もといセカンドキャリア支援制度への応募者に対する割り増し退職金のことです。

「今年の業績を作ったのは、今年の人員だけじゃなくて、今までに顧客と信頼関係を作ってきた諸先輩方の働きがあったおかげです。」
とか、
「来年以降のあなたたちの給料を保証するためには必要な出費です。」
とかいう話も分かるのですが、結局会社が将来の給料を前借りしているだけだよなぁ、という気持ちがあります。

もちろん業績のいい時期に会社にいれば、自分が特段活躍していなくともボーナスが上がる、というメリットはあるでしょう。しかし、重要なのは会社の状況によって比較的気軽に増減させられるということです。

管理職ともなれば、業績と給与の相関が強くなり、ひどいときには一律ボーナスなしという事態もあり得ます。年収の25%がいきなり吹っ飛んだりしたらかなりのインパクトですよね。

転職にも影響する

転職の時期を検討するとき、よく聞くのはボーナスをもらってからやめる、という話です。大体の会社ではボーナスの支給条件として、「支給日(6月、12月)に在籍していること」を含めていると思います。

このことから、例えば年収アップの求人を見つけたときに、その年のボーナスの支給額と年収アップで得られる効果を天秤にかける必要があります。
さらに、転職先のボーナスの支給条件が「評価期間(4月~9月 or 10月~3月)に在籍していること」だったりすると、転職して最初のボーナスは不支給になります。この差額を、年収のアップ幅でペイするためには何年かかるか、というのは重要な視点になると思っています。

もっと細かいことを言うと、評価期間の終わりから支給日までの間に発生した、自分の賞与引当金は一体どこに行ってしまうのだろうかという話もあります。

結局、会社にボーナスを人質に取られている感があります。

年俸制について

まぁ年俸制で働いたことがないので、空想になってしまいますが、上記で述べたようなボーナスの性質がある程度緩和されるのではないかと思っています。

ただ、ちゃんと運用されていることが前提です。年1回の年収改定の運用もそうですが、よくセットで提示されるみなし残業代については注意深くなる必要があります。

例えば、年俸600万円でみなし残業代として30時間分含まれている場合、残業なしの年収額は480万円になります。正直、そういう出し方をしている会社は、転職サイトなどで検索に引っ掛けるために見かけ上の年収を釣り上げているだけではないかと思っています。

実態として、みなし残業代はついているけど成果主義なので誰もみなしの残業時間を超えない、という会社もあるかもしれませんが、そうなると会社側にメリットがない制度(残業代の計算をしなくていいという意見もあるが、その場合は残業時間を測っていない事とほぼ同義なので、みなし分を超えた残業代も出ないということになり論外)なのでそういう会社の存在を疑っています。

まとめ

つらつらと書きましたが、結局言いたいのは

- ボーナスが高いというのはいいことばかりではない
- ボーナスは会社への貸付金のようなもの
- 年俸制っていいよね
- ただしみなし残業代には要注意

という感じです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?