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鍼灸はなぜ効くの?
鍼灸はなぜ効くのか
私たちのからだには14本の経絡(血液や”気”の流れ)が通っており、その経絡上には全361穴のツボがあります。
東洋医学の理論上、からだの中でも経絡の流れが悪くなることが病気の原因と考えられています。
そこで、経絡上にあるツボを鍼灸で刺激することで、血行が改善され、本来のからだエネルギーの流れや自然治癒力を取り戻し、症状をやわらげることができるという仕組みです。
▼point
自己治癒力を向上させるには、血液が重要
筋肉の緊張が原因の肩こり:患部の血行を促進させるツボを刺激することで、血行を促し自己治癒力を高めます。
関節炎:患部に集まっている血液を流すことで、炎症を鎮めます。
鍼灸がよくわからない!という方へ
「からだのエネルギーやツボと言われてもますますわからない。」
「経験した人は効くっていうけど…本当に?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。そのお気持ちもわかります。
なぜなら
処方箋や手術などで馴染みのある西洋医学は
「科学的」で理解しやすい一方で、東洋医学は「(心やからだが)良くなる」というシンプルな目的に対して
多くの施術法があって複雑だからです。
近年において、東洋医学の認知度が低いという事については、一言で説明することが難しい背景にあります。
鍼灸は、人間は本来自然と共存するために生まれたという
東洋医学の思想が元となっています。
症状に対して方程式のようなものはありますが
患者の数だけ施術法もさまざまで
それに対する先生の考え方や得意分野が異なります。
そのため実に多くの考えが存在し
鍼灸自体が「哲学的」なアプローチが主流となっているのです。
しかし現代に入り東洋医学の有効性が注目され
世界中で東洋医学を「科学的」に説明しようと研究されています。
そのような研究結果の中で
今回は鍼灸による自己治癒力向上のメカニズムを例にしてご説明します。
〈こんな経験ありませんか?〉
転んでケガをした時、血がたくさん出た。
皮膚が擦りむけて見た目から痛そう…。
でも時間がたてば傷はふさがり、見た目もちゃんと治った。
この現象から分かる通り、本来私たちのからだにおける
「治す力=自己治癒力」は、血液の中に含まれています。
では具体的に「鍼をしたら楽になりました!」
の時に、鍼を刺したからだの現象を見てみましょう。
①凝っているコリコリの筋肉は血液が枯渇している状態(=血行不良)
↓
②そこに鍼を刺すことで、目には見えないくらいの”小さな傷”を筋肉に付けます。
↓
③からだは「ケガをした」と思って、血液をたくさん送り込みます(=血行促進)
※鍼の周りがうっすら赤くなるのは、血液が集まっている良い証拠です(=フレア反応)
↓
④ 集まった血液は、十分な酸素や栄養を筋肉に与え、修復作業が落ち着いたころには柔軟でふわふわな筋肉になるイメージです。
鍼をするとこのような反応が体内では行われ、多くの方は術後「楽になった」「からだが温まった」と感じます。
このように、鍼灸は科学的・医学的にエビデンスがしっかりあり、科学的にも説明できる医療と言えますね。