再臨の6月と採血
カレンダーを見るたびに「6月やん」と言ってしまう日々を送っている。驚いた。噂には聞いていたが、まさか6月が再び現れるとは。去年も6月をしたというのに。夏がもうそこまで迫っている。
段々と暖かくなってきたとはいえ、風呂上がりの脱衣所は未だ寒く、いかに風呂場でからだの水分を拭き取りきれるかが勝負のカギを握っている。拭き取りが足りなかった暁にはシベリア送りである。浴室暖房がないと満足に風呂にも入れない。文字通りの温室育ちである。
2年程前から酷い鼻炎に悩まされていて、ようやく先日耳鼻科を受診してきた。先生から「鼻炎ですね」と、分かりきった病名を宣告され、その原因を突き止めるべく、人生初のアレルギー検査を受けた。久しぶりの採血。歳をおうごとに注射が苦手になっている。血管に、針を刺すなんてどうかしている。
左腕の血管が細すぎたため、うまく血が抜けず、結局右腕で完了。両腕に、採血を乗り越えた者だけが付けることを許される丸い絆創膏を授与された。血をもって得た勲章。風呂場で剥がれるその時まで、俺の腕で光輝くがいい。