経済成長

日本の経済は長らく成長をストップしている、或は、逆に縮小し続けていると言われる。特に、中国を筆頭とするアジア諸国との比較で、その成長しなさ振りが際立つらしい。ついこのあいだまでは、製造業の国外移転が進んでいて、いわゆる”空洞化”が起きていたけど、それも彼の地の生産コスト(主に人件費)が安かったから。しかし気付いてみると人件費にそれほど有意な差が見られなくなってきているとのこと。”有意な差が見られない”というのは、まあまだ日本の人件費の方が高いのかもしれないけれど、異なる商慣習やらコミュニケーションやら日本人の海外派遣・常駐の手間などなどを考えれば、日本で製造した方がよかろう、程度の差しかなくなってしまったということ。国際的な経済格差が狭まったということは悪いことではなく、寧ろ喜んだ方がいいはず。また、経済というもの、永遠に成長せねばならないとも言えないだろうし(資源が枯渇する)、経済成長が見られないことを専ら嘆く必要もないはず。

しかしながら、そう言って看過できない事情はある。ここ20年ぐらいの停滞が、ほぼすべて労働者へと皴寄せられているからだ。我慢強いというのかなんというのか。。。お給料を出す側の企業はこの国際化のご時世、まさか日本国内に閉じこもっていられるわけもなく、つまりは海外と様々な取引を行わなければ経営は成り立たないわけで、成長し、コストが上がり続けるそれら海外との必要な取引を定常的に行うため、常に応分の留保が求められる。お給料を上げるなんてもっての外。手を変え品を変え、人件費を流動化し、”経営の改善”を図ってきた。日本人は特に弱いのよね。まず会社がなくっちゃ生活レベルもクソもないでしょ?って理屈に。企業体なるもの、利潤を求めるものとは言われるけれども、日本の企業ほど被雇用者を言いなりにさせて平然としていられる経営も珍しいだろう。何事にも限度というものはあるはずなのだけども。。。

こうして振り返ってみると、日本は既に相当ヤバイ状況にあるのかもしれない、と恐ろしくなる。”ヤバイ状況”というのは、ここ20年ぐらいかけて悪化した、というのではなく、戦前そのままのメンタリティが堅持されているように見受けられるところ。辛抱強いというのも度を超せば異様なものだ。実際異様な行動をとるようになる。それは何も労働者だけではない。官僚も政治家も。。。

私が恐れるのは、ものすごく軽い気持ちで玉砕戦法に打って出られる心性。

玉砕って。。。生死を賭けるというか。。。死を覚悟するもんでないの???

何故にそこまで軽い気持ちでヤケクソになれるのだろう?

軽い気持ちでヤケクソって。。。

そもそもヤケクソとちゃうがな。。。

結局やっていることがそこまでギャグなら、狂ったふりして無理矢理笑かしにかかったっていいんじゃないのか?なぜわざわざ命のやり取り一択に絞り込むのか?

簡単に死なないようにしてほしいのよね。。

生き恥をさらすぐらいなら・・・というような状況に陥っている人もいるのかもしれない。けれども、結局全員がそういう目に遭うのだとしても、その境地に至るまでは生きさせてあげようよ。

【やさしい社会】では、人は簡単には死にません。死なせません。

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