【DeNA】大和構想外・歴代トップ級のFA補強選手

2024年9月18日、各スポーツ紙でDeNAの大和選手が来シーズンの構想外となってることが報道された。

構想外とはつまり戦力外通告にあたるもので、来シーズンDeNAで大和が選手としてユニフォームを着ることは無くなった。

大和選手のDeNAでのこれまでの活躍は大きく、今回構想外となってしまったが大和選手の功績をまとめておきたい。


大和の経歴・功績

守備の良い高卒ショートとして阪神入団

大和は樟南高卒で、2005年のドラフト会議で阪神から高校生ドラフト4巡目で指名を受けた。
高校時は守備の良いショートとして、当時の阪神の監督だった岡田彰布から評価されていたこともあって、阪神への入団が決まった。

阪神入団後は1年目から2軍で積極起用されて経験を積み、攻守とも順調に成長して4年目の4月に1軍初出場を経験した。


守備要員から1軍レギュラーへ

1軍昇格後、まずは代走や内野の守備固め的な起用をされていて、なかなかスタメンで固定起用されるようにはならなかった。
その中で内野のみならず外野守備にもつくようになり、阪神のチーム事情もあって外野手で起用されることが増えてくる。
そしてプロ7年目の2012年に、主に外野手としてレギュラーに定着した。
この頃阪神は外野の中でも特にセンターが固定できず、センター候補も段々年齢が上がってきていたこともあって、世代交代を図りたいタイミングだった。
そこに内外野を安定して守れて守備範囲も広い大和が出てきたことで、センターの1番手として抜擢された。
大和はそこまで高い打率や長打を打ててはいなかったが、守備の安定感や犠打進塁打や盗塁などの小技を活かし、2番や下位の打順で起用されていた。


固定起用が望めずFA宣言

一軍のセンターに定着した大和だったが、2015年に入ると今度は内野のセカンドが固定できなくなってきたこともあって、セカンドでも起用されるようになる。
そして2017年に入ると今度はショートも併用で起用されるようになり、1年毎にポジションが変わっていった。
どのポジションもソツなくこなせていたのが大和の凄いところだったが、起用が固定されないことの難しさは本人にもあっただろう。
こうした状況で大和はFA権を取得する。


DeNAが獲得に名乗り

DeNAは2016〜17年に倉本がショートのレギュラーに定着していたが、守備範囲の狭さが指摘されていた。
しかし倉本以外に託せるショートがおらず、倉本と競えて守備も良い大和の獲得に動き、ショートの底上げを図った。

大和としても阪神では毎年のように守備位置が変わっていたこともあり、ショートメインで起用するというDeNAからの提案は渡りに船だっただろう。

他に競争相手の球団が現れず、阪神も北條が台頭してきたこともあって何が何でも残留させるというほどの動きにもならなかったことで、DeNAへの移籍が決まった。
年俸は3年契約の総額3億円+1年オプションで、阪神時代の5000万から倍増した。


ショートのレギュラーに定着

DeNAに移籍後の大和はショートのレギュラーとして起用される。
広く安定感のある守備力は高く評価され、打撃面でも繋ぎ役としての仕事をこなし、一気にチームから信頼を勝ち取った。
また移籍後から勝負強さも発揮し、得点圏打率は毎年3割近くをキープした。

大和がショートのレギュラーとして起用されていたのは移籍後2年間で、3年目以降は倉本・柴田・森らとの併用になっていったが、それでも大和は与えられた役割をこなして結果を残し続けた。
特に他のショートが不調や故障で離脱した際に、大和がしっかり結果を残していた。これによりショートが完全崩壊にならず、チームの危機のときこそ大和の存在感が光っていた。


33歳から追加の複数年契約

こうした活躍もあり、大和は当初の3年契約+オプション1年の契約を満了した後、2022年から更に球団と2年契約を結んだ。
この時大和は33歳で、ショートは若手が増えてきたこともあってレギュラーとして定着できるか難しい頃になっていたが、大和の貢献度の高さと存在感は誰もが認めるものになっていた。

ショートとしては守備範囲が狭くなってきたものの、安定感はなお健在で首脳陣としては頼りがいのある選手だっただろう。
結局2022年もショートのスタメン起用は1番手で、23年は京田の加入があっても積極的にスタメンで起用されていた。

通年での活躍は難しくなったが、チームを鼓舞し、要所で力を発揮してくれたことで危機を何度も救ってくれた。

2024年は成績を落とし、勝負どころでの活躍も難しくなってしまったことで球団から来季構想外の通達を受けてしまう。
しかしDeNAで7年間も在籍し、36歳まで戦力として結果を残し続けたのはとてつもない貢献度と言える。
過去のFA獲得選手と比較しても、98年優勝に貢献した駒田徳広と同じ在籍年数で、歴代トップ級の活躍度だ。

今後の大和の去就

シーズン終了前の9月に構想外の報道がされた理由は、球団の大和への配慮と考えられる。

球団としてここまで貢献した大和には来季構想外を伝えるのと同時に、引退試合の打診もしたはずだ。
ただ大和としてはまだどちらか決めかねている状態で、現役続行も視野に入っているのだろう。
もし現役続行なら、大和をまだ1軍で内野のユーティリティとして起用できると考える球団がアプローチをかける可能性は高い。

一時戦力外期間の発表だと大和が他の選手に埋もれてしまうため、そうなる前に公開することで、先に動きやすくしたのだろう。

なので現時点ではまだ引退も現役続行もどちらも可能性がある。
もし引退を決断するなら、引退試合の開催や、引退後の去就の話も出てくるだろう。

DeNAファンとしては引退後もコーチや球団スタッフとしてチームに残ってもらいたいが、大和の意思も大事にして欲しい。

あとがき

大和のDeNA移籍が決まった時は非常に嬉しかった。阪神時代の大和はこちらから見るとかなり厄介な選手で、守備で何度も阻まれるし打撃ではよく打ち込まれた印象が強い。
それだけに非常に良い選手だと思っていたので、DeNAに来てくれたことは大きな戦力アップに繋がると思っていた。

しかし、その期待を更に上回る貢献をしてくれたのが大和の凄いところだ。
チームの穴だったショートを長く安定して守り続け、打撃面では「得点圏の鬼」と言われるほど勝負強く、非常に頼もしく頼りだった。
30歳を過ぎても衰えを見せずに、自分の役割を全うし続け、最後まで貢献してくれた大和は人間的にも尊敬できる選手だ。

来シーズンDeNAの選手として見ることができないのはとても残念だが、本当に素晴らしい選手だったと記録に残したいと思い、この記事を書くことにした。

現在、大和は2軍にいるが、まだシーズンは終わってないし、CS進出できる可能性もある。
なので昇格する可能性もあるし、プレーを見れる機会も無くなってない。
感謝の言葉は最後に言うとして、それまでに大和を見ることができればプレーを目に焼き付けておきたい。

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