令和6年9月議会 個別質問 1-3.教科書採択における現状維持及び変更の考え方について
浜中吾郎です。引き続き、これまで私が個別質問した内容について順次載せていきます!
令和6年第3回定例会の個別質問(令和6年9月17日実施)のうち「令和7年使用教科用図書の採択事務について」より。
さて、今回の教科書採択についてですが、昨年にはなかった広報いちはら6月号や本市HPに教科書展示会の案内発信を行ったことは周知を広める上で一定の効果があったと感じます。関係資料においても教科書展示会の閲覧者が167名と昨年度と比較して67名増えているとのことでした。前述した内容も含めて、私が質問した内容を取り入れて、本年の教科書採択を行って頂いたことに心より感謝申し上げます。
しかし、本年の採択事務の推移を見て、今後の懸念に繋がる事柄もあるのではないかと考えます。それは採択する教科書を変更するかどうかという視点です。再び配布資料をご覧ください。
本市は平成18年度より単独の採択地区となっていますが、上段は平成23年度以降の本市における中学校教科書の採択結果です。過去、変更となった教科と同一の教科があります。採択過程に不正はないとの前提は当然ですが、例えば現職の教員の目線だと同一の教科書会社を使用し続けた方が授業づくりをしやすい側面もあるかと感じます。一方、本市として重視する部分及び時代背景の中で、例えば変更をした方が良い場合もありうるでしょう。私個人の意見としては、同一の教科書会社が例えば今後何十年もの間採択され続けると、それ自体が現状維持バイアスになりかねず、一定の変更があるのが健全性を高める上で意味があると考えます。そこでお聞きします。当局として同一の教科書が選ばれ続けること、及び採択する教科書を変更することについてどのように考えるか見解を伺います。
(教育振興部長答弁)
お答えいたします。教科用図書の採択は、教科用図書選定委員と保護者の代表、学識経験者で組織される教科用図書選定委員会でまとめられた調査研究報告書を参考に、教育長と教育委員一人一人の判断に基づく投票により決定しております。
結果として、変更された場合と継続して採択された場合がございますが、時々の教育課題に応じて、本市の子どもたちに適した教科用図書が採択されてきたものと認識をしております。
(答弁を受けての浜中の意見及び要望)
ありがとうございます。教育委員ひとりひとりの方の最後は投票に委ねられる部分があるかと思います。また一人ひとりの認識が反映されている部分もあるのかなと思います。最後にいくつか要望を申し上げます。関係資料のうち、令和6年度第2回教科用図書選定委員会にて各教科の調査研究報告が行われています。その会議録を読むと、各部会とも個々の会社の教科書について特徴を述べた上で質疑応答に入っている中、いくつかの部会はそうした体裁を取らず網羅的なことを述べて質疑応答に入っていた部会もございました。例えば歴史部会は9社と会社の数が多かったことも影響しているのかもしれませんが、報告時間を教科書会社数に応じて調整するなどして各会社の特徴をそれぞれ取り上げた方がより公平ではないかと思いますので次回以降の参考としてください。また、今後は各教科においてより個別具体的かつ定量的な分析観点を設定するとともに、保護者など地域の皆様にもこうした意味を幅広く情報発信して頂きますようお願い申し上げます。
加えて8月1日に開催された教育委員会臨時会の傍聴をさせて頂きました。教育委員制度にはレイマンコントロール、要は専門家だけの判断に偏ることなく住民のニーズを適切に施策に反映させる仕組み、が重視されているかと思いますが、採択結果自体は無記名投票なので、質疑のやりとりがなければ各委員がどのような点に注意を払っているか知ることができません。教科書や関係資料はこの時点で既に各教育委員に共有されていると思いますので、より闊達なやりとりがなされると良いのではないかと感じました。
本市教育大綱の見直しにも着手していくという答弁が前回議会でもありましたが、本市のこども達の教育のためにより良い教科書を選んでいくという目的は共有していると思います。今後も公正かつ透明な採択事務に取り組んで頂ければ幸いです。宜しくお願いします。