地域で守る子どもたち〜豪雪除雪体験記〜
11日(月・祝日)16時過ぎ、下記のメールを保護者向けに送ることができ、ほっとしている。
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保護者のみなさまへ
大変な積雪となりましたが、保護者のみなさまや地域の方々の献身的な除雪により、通学路が概ね確保されつつあります。本当にありがとうございます。
明日12日(火)は通常通り学校が開かれる予定です。ただし通学路はいつもとは異なる状態となっており、大人の目による見守りがいつも以上に必要です。見守り隊の方々への一層の協力要請は行っておりますが、保護者のみなさまのご協力が不可欠な状況です。
テレワーク等朝夕の時間確保が可能な方含め、登下校の見守り活動について一層のご協力をよろしくお願い申し上げます。
<注意事項>
・通学路によっては、通ることができない箇所も想定されます。可能な限り、前日のうちに各自の通学路の状況について把握し、迂回ルートの検討等お子さまと話し合ってください。
・車道を歩くことは大変危険です。歩道が併設されている道路は歩道を、歩道の区別のない道路は端を歩くよう、お子さまにご指導ください。
・排雪が高く積み上げられた箇所はお子さまの存在が運転手から見えづらく大変危険ですので、飛び出し等しないよう特に注意してください。
・保護者、お子さまともに、時間に余裕を持ってご自宅を出発しましょう。(運転者・歩行者ともに「焦り」は事故リスクを高めます)
保護者のみなさまの、5分でも、1分でも…のご協力が子どもたちの安心安全を確実に高めます。引き続き、ご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
PTA会長 浜名冬樹
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通学路の様子が気になり11日(月)8時より、スコップ片手に実際に学校までを歩く。
想像はしていたが、歩道が大人の腰までの積雪で埋もれている箇所が多い。中には交通量の多い幹線道路の「車道」を歩かざるを得ない場所もちらほら。
「これはマズい」
なんとか学校まで到着したが、その学校一帯も腰までの雪が覆う。教頭と、PTA役員のグループLINEに各所の写真を送る。
そして、少し迷いはあったが、金沢市内全域が同様の状況と思いFacebookとInstagramにも写真とともに、除雪協力を呼びかけた。
さらに迷ったが、Facebookでつながりのある山野之義金沢市長に、自分の投稿をリンクしたメッセンジャーを送信し、金沢市としての発信・対応をお願いした。
さて、引き返しながら、地道に歩道を作っていこう…歩き出すと前から大きなスノーダンプを抱えた4年男児。
「みんなが明日学校来れるように、除雪しに来た!」
涙が込み上げる。
さらに進むと、中学校のPTA役員の方が親子で歩道の除雪。その先には小学校PTA役員の同僚がこれまた親子で。
そう、私の心配は杞憂だった。
グループLINEに送った写真が、地域の壮年団や子ども会にも展開され、みなが動き始めていた。子どもたちの姿もあった。先程の親子同様、自発的に動き出した方々も多いだろう。
写真の絶望的な排雪の山も地元の石材屋さんの重機で取り払われた。
歩道は、子どもたちの歩けるスペースを確保するため、高さのあるところは階段状にし、みんなで踏み固めていった。
これでなんとか学校までの導線は確保できた。校区全域をくまなく確認することはできなかったが、きっとこの地域は大丈夫。
帰宅したのは12時過ぎ。足首より下は感覚を失い、疲労感もあったが、むしろ心地よく。
スマホでFacebookとInstagramを確認。共感いただいたみなさんからのリアクションとコメント…
ん!?
山野之義金沢市長からコメントが!
午前中から、○○教育長、△△金沢市PTA協議会会長と何度か話をしました。市教委からは、各小中学校校長から保護者宛に、できる限り通学路に見守りで立っていただくお願いメールを発信することになりました。△△会長からも、各PTA・育友会会長宛にも発信していただけるということです。
以前よりトップ自らの柔軟な発信の重要性を説いていらっしゃった市長。フットワークの軽い市長に敬意と感謝。メッセンジャーで改めて御礼。
「…金沢市の地域力はさすがだわ!」と返信。
まさに、その通りだと思った。
PTAや町会・壮年団・子ども会…地域コミュニティのつながりは、このような緊急時にこそ活きるのだ、と。その背中は子どもたちの目にも焼き付き、次世代にも繋がれていく。
また、わかったのはSNSの威力。グループLINEで写真を送れば、瞬時に状況の共有が図れる。複数のコミュニティに属する方が、さらにそちらへ展開し広域な行動につながっていく。
SNS、市長にだって直接アプローチできてしまうし、内容さえ的を射たものなら、今回のように誠意を持って対応してくださる。
金沢市長のご対応から改めて感じるのは、肩書や役職は、権威ではなく「役割」だということ。いち単位PTAの声に真摯に対応くださり、その役割の大きさにより、結果として教育長と市PTA協議会へ連携され、さらには市内各校長と各PTA会長へ、見守り協力依頼として伝わったのだ。
忘れられないのは、スノーダンプを抱えてみんなのために動いてくれた4年生男児の誇らしい姿。未来は明るい。
さあ、夜明けとともに子どもたちが歩き出す。見守り活動の夜明け前、だ。