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学校教育DXプロジェクトを通じて考えた、子どもの未来に対して僕たちができること

2022年6月、新しい働き方LAB研究員制度の枠組みの中で、日本HP指定企画として「学校教育DXプロジェクト」がスタートしました。

このプロジェクトは、学校教育に外部の大人であるフリーランスが関わることで、新たな教育効果を生み出そうというものです。

学びのテーマは「動画制作」。
前半3ヶ月は先生がフリーランスから動画を学び、後半3ヶ月は先生と生徒が一緒になって動画作りに取り組みます。

プロジェクトの進行スケジュール
先生×生徒×フリーランスで動画制作

先週ようやく、生徒たちによる制作動画の最終発表会が終わりました。

半年にわたるプロジェクト。
この取り組みを通じて色々と考えさせられることがあったので、今回は感想をお伝えさせてください。

6ヶ月間の学校教育DXプロジェクトを振り返って

プロジェクトを終えての率直な感想は、「めちゃくちゃ大変だったな!!笑」です。

5校の先生と生徒、単純に人数だけでも50名近くが参加するプロジェクト。まず各学校の予定(テスト期間や学校行事など)を考慮しながら講座やメンタリングをスケジュールしていくのがハードでしたし、加えて僕たちフリーランスチームは、決して教育のスペシャリストではありません。

「果たして何が正解なのか」「本当に生徒のためになっているのか」
先生と協議を重ねながらプログラムそのものも手探りで進める、そんな産みの苦しみがありました。

とはいえ、一番大変だったのは先生です。
通常の学校業務に加えて毎週のオンライン講座と宿題。給料が発生するわけでもない、前例も無いプログラムに手を上げてくださった5名の先生方には、本当に尊敬の念しかありません。

変化を恐れない大人が、子どもの可能性を広げる

このプロジェクトの重要なポイントとして考えていたのは「まず先生が学ぶこと」でした。

「学ぶこと」はすなわち「変わること」。
つまりは「先生が変わることで、生徒たちの可能性がもっと広がるのでは」という考えからスタートしたプロジェクトだったのです。

今回プロジェクトに参加くださった5人の先生。
5人の先生はまさしく変化を恐れない方ばかりでした。
加えて先生方に共通していたのは、誰よりも真剣に生徒のことを考えていること。

「〇〇した方が生徒の学びは深まるんじゃないか」
「本当に生徒にとってこの〇〇はプラスになるのか?」

先生方から頂く意見の真ん中には、いつも生徒たちの存在がありました。

真剣で熱い先生方ですが、ノリもめちゃくちゃに良い。
わからなくても「とりあえずやってみましょう!」で進むことが多かったです。
仲良くなった先生たちが「夏合宿をやろう」と言い出し、実際にみんなで集まって一宿一飯を共にしたこともありました。

僕からすると間違いなく「変な先生たち」です。

でも子どもの可能性を広げるには、こんな変わった先生たちが必要だと思いました。
ここでは「先生」という肩書きで触れていますが、もっと多くの「大人」が変化を恐れなくなったら、子どもたちの可能性はもっと広がるのではないでしょうか。

自分の子どもに何を残せるか

僕は自分の子どもたちに「好きに生きてほしい」と思っていて、それ以上は特に望んでいません。

でも大人になってわかるのは「好きに生きることはなかなか難しい」ということです。
ちなみに”難しい”というのは”難易度が高い”というわけではなくて「やる前からその道をあきらめてしまう人」や「そもそもその道に気づかない人」が多いという意味です。

「好きに生きる」のハードルを下げるために必要なことは何なのか。

僕は「子どもたちの周りに、好きに生きている大人がたくさんいる」ことだと考えています。

将来の進路を選ぼうとするとき、どうしたってまずは親の生き方や働き方が頭に浮かぶと思います。
つまりは身近な大人の生き方・働き方が、ダイレクトに子どもたちに影響しているということです。

もちろん、その子どもにとってどんな生き方がベストなのか、誰にもわかりません。だからこそ「どんな生き方を選んでもOK」という環境を作ることが大切だと思います。

そんな観点から学校教育DXプロジェクトでは、さまざまな生き方や働き方をしている大人との接点を増やすことを意識しました。
その接点が選択肢につながり、もしかしたら子どもたちが自分の望む生き方を選ぶ際のハードルを下げることに役立つのでは、と考えたためです。

プロジェクト終了後、先生からとある生徒のエピソードを聞くことができました。
その男子生徒は、趣味で動画編集が好きだったものの、これまで家でも学校でもそれを評価される機会がなかったそうです。
今回のプロジェクトの中でその生徒が編集した動画はクオリティが高く、講師陣からとても評価されました。
それが本人にとって大きく響いたようで、先生曰く「話し方が変わった」というのです。
これまでは他のメンバーに遠慮しがちで発言も控え目だった彼が、今回のプロジェクトを通じて自信を持って発言できるようになった、ということでした。

これはあくまで一例ですが、誰もが自分の好きなことを自信を持って好きと言える、そんな世界って本当にいいなと思うのです。

子どもたちの未来を一緒に考えてみませんか?

最近は世の中も難しくなってきていて、親として、子どもに何をどう伝えればいいのか、迷っている方も多いように思います。

でも、もし目の前にいる子どもが目をキラキラさせて自分がやりたいことに熱中しているのであれば、それだけで僕たち大人としての役割は十分なんじゃないでしょうか。

この学校教育DXプロジェクトは、次回以降どうなるかまだ全然決まっていません。
個人的には、今回のプロジェクトをさらにより良いものにして、もっと広げることができればいいなと思っています。

「子どもの未来を一緒に考えたい」
「自分の学校や地域でもやってみたい」
「どんな形でもいいから関わってみたい」

そんな風に思った方はぜひご連絡ください。きっと一緒にやれることがあるはずです。

【お知らせ】
2023年2月9日(木)に掛川市(オンライン参加も可)にて、学校教育DXプロジェクトの成果報告会を開催します。一般の方の観覧も可能ですので、ご興味のある方はぜひお申込ください。



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