日常定期便 その4
日付は変わり、満員電車の中。もうすっかり人の数は戻ってきたような感じだ。1時間早いのは、あまり関係がない。
右手の小指が少し上に上がっている。携帯を打っている体勢がそうさせている。隙間から見え隠れする。何だろうと目を凝らしてみる。
そんなことはどうでもいい。腰のあたりが少し重たい感じがしている。重力に負けそうになる身体。今は壁によたれかかりながら過ごしている。
目の中が重たい感じがしている。睡眠時間が足りないことが原因だ。そのことははっきりとしている。耳からは音楽が鳴り響いている。
邦楽の自分のプレイリストをシャッフルでかけている。歌詞が頭の中に次々に入ってくる。右足に、人の足が一瞬当たるのを感じた。
みんなそれぞれに過ごしている。ずっと窓の外を見る人。その先には本を読む人。さらにその先で、こちら側を向いた携帯をいじる人。
僕は反対側で、同じように携帯をいじっている。スマホと言ったほうが適当だろうか。夜の時間は、あまり有効に使えている感じがしない。
窮屈さを感じながらも、昨日のような蒸し暑さは感じていない。夜のうちにやることをやっておくと、朝の準備は最小限で済む。
夜に作ったゼリーがまだ固まっていなかった。時間的に、短かったのか。冷え切った状態ではなかったからなのか。
どうしてなのかと打とうとすると、「どうしてなの」という歌詞が入ってくる。
どうしてなのか気になると 続きを書こうとしていると、「気にしていこうか」という歌詞。
意識をしているから入ってくるのだけど、歌詞がリンクする。自分の思考と重なるという、摩訶不思議な現象。そんな大袈裟なことではない。
そういうことはあるのだということ。意識すると、入ってこなくなる。待とうとしても訪れない。そんなものなのだと思う。
(続き)