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休学一代記 【番外編】人生は選択の積み重ね、でもそれが難しい。


自分で自分の就職先を選んだ時は、とてつもなく緊張した。
でもあの時、わたしの中にズシンと芯が通った気がした。


ちょうど1年前の秋の終わりごろ、とある企業の方からうちに来ませんかと誘っていただいた。このめの2人とも、と。
このめの活動をしながら、就職先どうしようかなって考えていた頃だった。地元に帰ってくるということはもう決めていたから、伝手を頼っていくつかの企業さんを訪問させてもらっていた。

でも、「このめ」のわたしたちに来ませんかと言ってくださった人は初めてだった。
それはチャンスにも思えたし、とても怖くもあった。

このめの活動をしていなかったら、絶対に得られなかった縁だった。そもそも、休学をしていなかったらわたしは東京に就職していた。
でも、このめであるわたしたちが、このめとして就職するということは、かなり特別なことなのではないか。特別扱いされることは、良いことだけとは限らない。その「特別扱い」に対する働きをちゃんとお返しできるのか、とても怖かった。


わたしたちは2人でひとつ、ニコイチだった。色々とでこぼこだったけれど、どちらかが苦手なことはどちらかが補って、1人だと難しいことも2人でなんとかしたことは何回もある。違ったらごめん。

Aちゃんは「はまのが入るなら入る。」と言った。あとはわたしが入るか入らないかを選ぶだけになった。わたしは悩んだ。
ニコイチで入る?それは危ないと思った。
片方が辞めたくなったらどうするの?自分も辞める?

休学する時にお父さんに言われた言葉が蘇った。
「友達がその活動途中で辞めちゃったらどうするの?そしたら、自分も辞めようかなと思うんじゃないの?」


それは嫌だ!
そんなふうに、人の選択によって自分の選択が左右される、そんな自分が嫌で自分で選んでここにきたのに!

ここで、私が選びたいのはどっちだろう。
自分1人でもやっていける、そう思える道を選ばなくては意味がない。
わたしがずっとAちゃんに、その前は他の様々な人に頼ってきたのは分かっていた。でも、このままじゃ良くない、そんな気がした。

とても悩んだ。1人でもやっていけるのか、それだけが不安だった。

色々な人に相談をした。
そんな中で、わたし一人だと何ができないのか。そう聞かれた時に気づいた。
絵が描けない、デザインが苦手、プレゼン作りが苦手。
あれ?大したことじゃなかったな。

そうか、1人でもやっていけるか?じゃない、やっていく、という覚悟を持てばよかったのか。
たぶん世の中では当たり前のことだけど、わたしにとっては新発見だった。できる、やる、と思うからできるようになるんだと。


わたしは決めた。
「Aちゃんが入る入らないに関わらず、わたしは入る。」と。

結局、入るのはわたしだけになった。背負うものは大きいなって今でもビビっているし、やっぱり仲間がいたらなぁって思うこともある。
でも、だからと言って逃げることはしない。その時々、ビビりながらも自分で選択したものの上に今立っている、立てていることってとっても誇らしいなって思うから。

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