冬の日
滅多に雪の降らない地域で、窓越しに白い牡丹雪が舞い落ちていくさまは別にセンチメンタルでも感慨深いのでもなく、それなのに窓辺に椅子をわざわざ持ってきて湯気の立つ飲み物も持ってきて、2008年当たりのアルバムを聴いたりしてるのだから、何か少し感じるものがあるのだろうな。
店先で点けたり消したりを繰り返して、アームの角度をあげたり下げたりもして、30分くらいも説明書を読んで、最後に木目調か白木か悩んで買ってきたデスクライトはなかなかよいが、もっと趣のある室内ランプを買いに行ったのに、なぜか実用的なデスクライトを持ち帰ったあたり、いつもより数度も気温の低い冬日のなせる技か。
昨年の夏の終わりから残暑残暑で秋の気配少なく冬に突入したかのようだったわりに暖冬で、寒さを楽しむ合間もなく春になったらどうしようかと密かに悶々としていた私には、最高にハッピーな日だ。
たからやはりこうして、わざわざ窓辺に座って擦りガラスの向こうの雪を眺める。正座して、頬杖ついて。