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龍の夢

龍は少し離れた森の中をゆっくりと雲が流れるように左から右へと飛行している。

うす暗い森の中、焦茶色の影が大きく長い胴体を揺らしながら進む。

「あそこだ!」

森を指差して誰かに知らせる。夢の中で私は龍を探していた。

バスターミナルから長距離運行バスに乗ったつもりだった。ところが次の場面では夕方日が落ちて薄暗くなった丘陵地に私はたっている。

龍は自分が立っている場所から一度下がってまた上がったあたりの森の入り口を、長く立派な体の一部を木々の合間にゆらりと見せながらゆっくり低空飛行している。

太陽が沈んだ直後で、少し影になってはいるが、私にはそれが私たちの探しているものだとわかった。自分が見つけたんだという誇らしい気持ちを抑えきれず仲間に知らせる言葉を叫ぶ。

バスターミナルの夢

龍の夢は初めて見た。嬉しかったので記録することにする。
バスターミナルはよく夢に出てくる。似た形式のバスターミナルで少し坂道になった場所にあり大きなものではなく、バスストップの数もたぶん5個もない。コの字型でそれぞれにバスが1ないしは2停車するようになっている。ひなびた温泉街にあるような昔の広告看板が傾いて付けてあるようなバスターミナル。
心のストレスバロメーターにしている「エレベーターの夢」のようなその夢を見ると精神的に追い込まれた時にみる、そういうのではなく、目覚めた時に「あぁまたあのバスターミナルか」と思う類の夢。

バスは大抵目的地には到着せずどこか予定と違うところへ進み、降りてみると自分自身の目的さえ忘れ、新しい目的が発生している。だから行きたいところへ行けないだとか、そうじゃないと思うストレスはない。ただ変わる状況に流されていく、そんな夢。

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