韓国チェジュ航空7C2216便(Boeing 737-800型機)墜落事故の全電源喪失説は本当か?



事故直後から謎が多かった。

着陸時の映像がこちら。





どうも電源そのものがない、ということが言われているようなのだ。
エンジン停止後に、全電源がない、というお粗末な設計だと言うのだろうか?




まず、FDRの非常用独立電源となるべくRIPSが未搭載だった可能性。これは製造時の規制によるらしいが、事後変更(改善)を義務付ければよいのにとは思うが、無いものはどうすることもできない。


エアバス機には搭載されている「ラムエアタービン」(エンジン停止で電源喪失後に自動発電し給電する装置)も無いとのこと。ボーイング機はダメな点ばかりが列挙されてしまう。


また、補助発電機たるAPUが737-800型には付いてるはずだが、何故かその起動もしなかった(できなかった)模様。



主エンジンからの電源供給が途絶した途端に、全電源用システムがダウンってアホみたいな設計なのかね?



これまでの情報で分かっていることを書くと、

ア)バードストライクでエンジン故障?らしい
イ)"Flightrader 24" の信号(ADS-B)消失 08:58
  (これ以降のFDRとCVRのデータが記録されてない)
ウ)機長の緊急事態「メイデイ」 08:59
エ)着陸の為、進入時にはランディングギアが降りていた
オ)着陸を回避しゴーアラウンド
カ)一旦上昇し、滑走路進入を180度変更の為、急旋回
キ)再度着陸許可  09:01
ク)フラップ降りておらずエアブレーキ動作の様子もなし
ケ)胴体接地後、滑走するも減速できず衝突


疑問点1: 両エンジンが同時に推力ゼロの怪

FDRもCVRも電源喪失の為に記録がない、ということだった。それはADS-Bの信号途絶と一致するからだ、という(⇒条件イ)。

電源供給はいずれか一方でもエンジンが生きていれば自動給電されるが、3つの電気的動作の機器が途絶ということは電源喪失だ、と。

ここで重大な疑問が生じる。

疑問点2:ランディングギアをどうやって再度格納(⇒条件エ)できたのか?

疑問点3:推力を失ったのに、どうして再度上昇(⇒条件オ)し、エンジン推力がないのに180度急旋回ができたのか(⇒条件カ)


まず、両エンジンが同時に死んだとして、給電がゼロとなり、APUの起動も間に合わないという判断であったとしよう。
その場合、降りてる車輪を格納する動作の為の動力は何処から来てるのか?
恐らく電源が生きており離陸時と同様の自動格納装置によって内部に格納されるのでは?
だとすると、格納できる電力があったことを意味しており、消費電力の大きさ比較で考えれば、

   車輪の格納 >>> FDR、ADS-B や操縦計器 

だとしか思えないんだが?

更に問題なのは、ゴーアラウンドで再度急上昇を実行している、という点だ。離陸時の上昇を思えば分かると思うが、巨大重量の高度を上げるのには相当大きな推力が必要なはずだろう?


参考:


両エンジンの推力が消失し、APU起動も手動ギアダウンもできぬくらいに切迫している場面なら、「180度急旋回」という選択は通常だと「ほぼ失速して墜落する」であろうことを予見するのでは?


いや、片側エンジンが生きており、推力が僅かに残されていたということか?

それならランディングギアの格納も、再上昇も、180度急旋回もできたのかもしれない。

だが、そうだとすると、その推力が維持されてる時点まではエンジンは生きており自動的に給電も行われるわけで、「FDRにもADS-Bにも」電源供給が存在した、はずだが?

消費電力の優先順位から見ても、少なくともFDRは車輪を機体内に引き上げる動力源より消費電力は少ないぞ?

だが、何故かその電源が存在しなかった、という。矛盾は解消不可能だ。


普通におかしいと思いませんか?

それに、着陸姿勢の映像を見ても、滑走路進入時に機首側がプラス角に上がっており、機体姿勢は水平よりも上向きに接地しているでしょ?


エンジン推力がゼロで滑空のまま進入してくると、フラップを降ろしてるならまだ話は分からないでもないが、失速させずに降りるには機首側を下げ尾翼側が上がるような進入姿勢じゃないと難しいのでは?


エアバスA320のような着陸姿勢の自動制御装置があるわけでもなく、油圧死んでフラップコントロールもなければ、フライバイワイヤもない上に、推力コントロールも当然ゼロなのに、機首側を挙げて機体姿勢を保てるという神業の方が謎なのではないか?


エンジンが両方とも死んでるなら、急旋回でまず失速し墜落するだろう?
再上昇してターンできると思いますか?


もしエンジンが両方死んでるなら、ゴーアラウンドなどせずに、タイヤが降りてるのだから、そのまま着陸して車輪のブレーキ力に賭けた方がマシなのでは?


そうしなかったのには、何らかの「特別な理由」があった?

それがこの事故の鍵かもしれない、ということである。



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