航空機エンジン火災対策の警報や消火システムがJAL機で機能してないのは何故か

昨日の記事でも指摘したが、JAL機が着陸時に爆発炎上したにもかかわらず、管制塔からの伝達やコックピットとのやり取りが全くないのは普通ではない。

普通の機長ならば、直ちに緊急事態を宣言するだろうし、管制官だって機長から宣言発出がなければ「緊急事態を宣言しますか」と必ず確認するだでしょう?


エンジンからの出火にしても、JAL機の完全停止前の段階で右側エンジンから乗客が目視で確認できる程度には燃えていたわけで、エンジン火災のアラームが動作しないことなど普通は想定できない。
飛行中ですらエンジン火災事故は起こるので、その際のエンジン停止措置が10分以上とかかかるわけがない。


燃え方にしても、普通じゃないのは明らかだ。今回のJAL機と比較する為、エンジン火災事故の参考となる事例があったので、まずそちらを見てみよう。


2015年フロリダで起こったエンジン火災事故である。


火災の第一発見者は、事故機を外部から見ていた別な旅客機の乗員であり、管制塔へ一報が入って発覚した。
管制官はその無線連絡を受けて、当該機が燃えているとコックピットへ指摘、すると当該機乗員も火災を認知、直ちにシューターで全乗員を脱出させた。

消防隊が駆け付ける時点で、全員の脱出が完了しており、出火した左エンジンは消火剤により鎮火された。怪我人は脱出後に走った為転倒したことによるもので、殆どは無事だった。


特徴的なのは、火炎や煙は「上方へ向かう」ということなのですよ。完全な外気での火災で、エンジン内や周辺の漏洩燃料が燃えると燃焼温度が低く酸素が不足する為、かなり濃い黒煙が上がるし火災発生の周囲は煤だらけとなる。

エンジン停止状態なのだから、空気は送られず、焼けるのにも時間がかかるはずなのだ。記事中の写真のように、原型を留めるしエンジンそのものが焼け落ちて脱落することもない。


だが、JAL機では全く違う。タービンブレードの回転が続いており、空気を送り込んで、わざと燃焼を加速させるようにしているようにしか見えなかった。


フロリダの事故でのシューターの数は、前方の左右2か所と、火災側の左エンジンの後方シューターは使わず、右後方だけ使っていた。3か所使用は、JAL機と同じである。ただし、脱出開始までの時間は、恐らくフロリダ機の方が早かっただろう。


同じ事故の記事であるが、ご参考まで。



JAL機の場合は脱出を決断・開始したのが遅かったので、消防隊が左側(滑走路上)からエンジン付近に消火剤を撒いてる中で、シューターから乗客たちが降りてる姿がNHK報道やツイート画像などで見られていた。

乗客数に違いがあるとはいえ、フロリダのエンジン火災事故の場合には、JAL機よりも早くから脱出を実施し完了までの時間も早かっただろう。


JAL機の初期対応が不可解だということ以外にも、消火隊の鎮火しようとしない姿勢自体にも、異常さが見てとれる。


2023年に滑走路上での起こった”ボーイング737-900 Max”機のエンジン火災事故では、エンジン火災を示すアラーム作動により僅かな燃焼痕が発見されていた。


https://www.washingtonpost.com/transportation/2023/07/07/boeing-max-engine-fire-united-newark/


機内消火システムが作動する、ということも書かれている。

こちらの記事も参考に



JAL機の初期対応も、エンジン停止が異常に遅いのも、火災警報器や自動消火システムの作動が全く報告されていないことも、普通では起こり得ないようなことばかりだ、ということです。



23年12月のユナイテッド航空でもカンザスに緊急着陸したエンジン火災事故が発生したが、消火隊によって消火され大きな被害は免れていた。



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