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2月が始まってすぐのある日、安座真家はある話題で持ちきりだ。それは、間近に迫る優梨の出…
1月のある日、サークル棟の廊下で慌ただしい足音が聞こえ、琉球弧伝承研究室のドアが開いた…
時は少し遡り、8月中旬の与那国空港。 日本最西端の空港であるそこに、神鈴の姿があった…
ああ、まただ。またこいつが目覚めた。 私はこいつのことを、ずっとは押さえられない。 でも…
4月に入ってすぐのある日、琉球大学の学食に、ふたりの同級生と沖縄そばを啜る漆間の姿があ…
夜から昼の狭間か、それとも、昼から夜の狭間か。 明るいのか暗いのか分からないところを…
中畑幸に取り憑いているのは、ネットに生じ、長い時間を使って成長した怪異、ブギーマン。 僕たちは幸の中にいるそいつに、千代の目を使ってずっと見られていた。 安座真さんはすぐに怪異を祓わなければ、幸が危険だという。 そこで、安座真さんと僕が、幸の家に向かうことにした。 「漆間!私も行く!幸は親友なのよ?」 「千代、気持ちは分かるけど、狙われてるのは千代なんだよ?今の状態なら、あいつは千代に手が出せない。さっき瘴気は祓ってあるから、今は帰りなよ」 僕は、千代に声を掛け
「おはようございます!!」 剣道部の部室に入った真鏡漆間は、そこにいる全員に向かって頭…
4月8日、月曜日。 -よく晴れて、良い日だわ。 私は1着しか持っていない黒のワンピー…
小さい頃、僕は弱虫だった。 記憶の中の僕は、いつだって母の胸に顔をうずめている。 僕…