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連載小説 逢魔の子

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■あらすじ■ 安座真漆間(あざま・うるま) 並外れた霊力を持つ青年。彼の目的は、小さい頃自分を守って怪異と化した、母の魂を救うこと。 そんな彼と、彼を取り巻く人々と、怪異の物語。
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#妖怪

逢魔の子 逢魔が時に、出会うもの

 2月が始まってすぐのある日、安座真家はある話題で持ちきりだ。それは、間近に迫る優梨の出…

ハマガウタキ
2か月前
8

逢魔の子 鬼の棲む場所

 1月のある日、サークル棟の廊下で慌ただしい足音が聞こえ、琉球弧伝承研究室のドアが開いた…

ハマガウタキ
2か月前
6

逢魔の子 神鈴の恋

 時は少し遡り、8月中旬の与那国空港。  日本最西端の空港であるそこに、神鈴の姿があった…

ハマガウタキ
2か月前
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逢魔の子 まじむんの母

ああ、まただ。またこいつが目覚めた。 私はこいつのことを、ずっとは押さえられない。 でも…

ハマガウタキ
2か月前
7

逢魔の子 真鏡名家の厄災

 4月に入ってすぐのある日、琉球大学の学食に、ふたりの同級生と沖縄そばを啜る漆間の姿があ…

ハマガウタキ
3か月前
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逢魔の子 新しい日々

 夜から昼の狭間か、それとも、昼から夜の狭間か。  明るいのか暗いのか分からないところを…

ハマガウタキ
5か月前
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逢魔の子 初陣

 中畑幸に取り憑いているのは、ネットに生じ、長い時間を使って成長した怪異、ブギーマン。  僕たちは幸の中にいるそいつに、千代の目を使ってずっと見られていた。  安座真さんはすぐに怪異を祓わなければ、幸が危険だという。  そこで、安座真さんと僕が、幸の家に向かうことにした。 「漆間!私も行く!幸は親友なのよ?」 「千代、気持ちは分かるけど、狙われてるのは千代なんだよ?今の状態なら、あいつは千代に手が出せない。さっき瘴気は祓ってあるから、今は帰りなよ」  僕は、千代に声を掛け

逢魔の子 ともだち

「おはようございます!!」  剣道部の部室に入った真鏡漆間は、そこにいる全員に向かって頭…

ハマガウタキ
6か月前
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逢魔の子 ふたりの母

 4月8日、月曜日。 -よく晴れて、良い日だわ。  私は1着しか持っていない黒のワンピー…

ハマガウタキ
7か月前
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逢魔の子 力の覚醒

 小さい頃、僕は弱虫だった。  記憶の中の僕は、いつだって母の胸に顔をうずめている。  僕…

ハマガウタキ
9か月前
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