中国臨床試験に関するFAQ
Q. 中国で臨床試験をすると良いと言われる理由
A. 中国で申請、実施されている臨床試験の数は、現在アメリカに次いで世界で2番目の数になります。
2015年以降、中国政府は、医薬品のドラッグラグ解消やイノベーション奨励のため、国内外の臨床試験実施を促進する方向に政策を転換しました。中国国内の患者がより良い医薬品を入手できるようにするために、国内外の製薬企業が新薬を中国に申請するための政策と規制環境(つまり中国独自の規制ではなく、ICHに準拠した)を準備しました。代表的な変更としては、中国におけるIND審査・承認スケジュールが60営業日に大幅に短縮されました。さらに、中国が国際臨床試験の参加国となり、医薬品開発・販売承認が世界に遅れることなく行われるために、改正、公表された規制は多数ありますが、いずれもICH諸国の要件に近いものとなりました。過去25年以上に及ぶ中国での臨床試験の実施を通じて、中国はグローバルビジョンを持つPI/サイト、グローバルおよびローカルCRO/SMOの設立など、質の高い臨床試験をサポートするためのインフラが成熟してきています。また、中国の最大の特徴である患者数は、世界的に見ても驚異的な患者募集の進捗を示しています。
Q. 中国で臨床試験を成功させるために何が必要か
A. 適切なCROパートナー+適切な試験実施施設+適切なPI+適切な患者選定+合理化されたプロセスとその監督をすることが必要です。
王道はないため、都度戦略を考え、時にはセカンドオピニオンを社外に求める必要があります。
Q. 中国を含めた開発をするタイミングはいつが良いか
A. 開発段階の早期が良いです。中国政府は企業がグローバルと同じスピードやタイミングで開発を行うことを明確に奨励しており、ベストなアプローチは、第I相試験のような早い段階から中国に関与することです。これにより、のちに中国当局が追加のブリッジ試験(例えば、中国ローカルPK試験)を要求してくることを心配する必要がなくなり、中国をグローバル第3相試験に組み込ませることを確実にすることができます。また、早期に組み入れることにより中国での製造販売承認のためのエビデンスをより総合的に蓄積しやすくなります。
Q. 中国で実施しやすい治療分野はどこか
A. 一般的に、中国の研究開発テーマは世界的な傾向とほぼ一致しています。例えば、がんは最も研究されている治療分野であり、中国は多くの経験を蓄積してきており、臨床試験の実施をサポートするインフラも確立されてきている。 さらに、ほとんどの標準治療と市場で使われる薬剤はEU/米国と一致しており、中国におけるプロトコール立案の課題を軽減しています。(注:全てではありません)
さらに中国政府は、アンメット・メディカル・ニーズと臨床的価値のある医薬品イノベーションの開発に意欲的であり、優先的に規制当局が相談に応じてくれます。
最後に、やはり中国の人口が多いことから、希少疾患患者の募集が他国に比べて格段に早く達成できる見込みがあります。
Q. 中国での患者組み入れをより簡単に行う方法は
A. 患者募集の進行をスムースに行うためにSMOの関与は必須です。
Q. 中国における臨床試験の承認スケジュールは?
A. はい、現在のCDEによる通常の臨床試験申請(CTA)の審査・承認スケジュールは、IND/CTA申請受理後60営業日で、特別な場合を除き近年目標は達成されています。
Q. IND/MAA提出書類に中国特有の要件があるか
A. 例えば、CMC文書における追加情報の要求、リスク管理計画書(RMP)は中国のIND/CTA申請において必要な文書です。また、提出する書類はすべて中国語に翻訳しなければならず、必要に応じて原語の書類を併せて提出する必要があります。
Q. 中国でeCTDの提出が必要か
A. これまでのところ、IND/CTA 申請には eCTD の提出は適用されていません。NMPAの通知によると、2021年12月29日以降、化学医薬品クラス1およびクラス5.1、生物製剤クラス1、ワクチンクラス1のMAA申請において、eCTDの提出はオプションです。紙媒体での申請パッケージは既に不要となっており、電子文書のみですが、文書フォーマットの要件はeCTDにかなり近づいてきています。