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【俺史】社会人20年間を振り返る #5

【前回までの振り返り】
2003年4月。
いよいよ私は新入社員研修を終えて現場に配属されるのでした。

第一事業部 技術部 生産技術課 開発担当…って何?

内定のときに人事からは「生産技術担当をしてもらいます」と言われていました。一応、自分なりに事前に「生産技術」とはどのような部門なのか?を調べていたのですが、よく理解できていませんでした。

生産技術とは、工業製品など具体的に「もの」を作っていく際に、設計する工程と、それに従い実際に「もの」を作り出す工程をつなぎ、いかにして品質高く、作りやすく、効率的に生産するか、という方法を工程として設計する技術を指す。

出典:wikipedia

「工場の生産ラインに関する部門だな」ということはわかっていましたが具体的にどのような業務をするかは想像出来ていませんでした。

基本的に「技術職=設計とかやる」というイメージだったので、プロダクトの設計ではなく、工場ラインの設計か、なんて理解していました。

配属先の基幹工場である事業所も明らかに工場という感じでした。
背の高い3mくらいはある鉄の扉、プレス機の音、フォークリフトの往来、色が塗られた床、どこからか飛んでくるケミカルな香り、出荷していくトラックの轟音など、イメージ通りの場所でした。

「あ、そうか、スーツで来る自分のほうが異物なんだな」

いよいよ、自分は会社という大きな組織に飲み込まれていく、その覚悟が少しだけ生まれてきたような気がしていました。

会社からの支給品

配属先に行くと、O課長という私の上司が出迎えてくれました。

O課長は良くも悪くも印象の薄い方でした。
「よろしくね」とフラットな挨拶を交わして、色々と部門の組織図について説明をしてくれました。

「これがH部長。技術部のトップね。でここが生産技術。これが俺。O。で、その下にY係長がいて・・・」

会社組織ですから、こういう肩書と言うか、部門長の名前を把握すること、そして挨拶に行くことが大事だと教えていただきました。

こういうところは体育会系学生だったこともあって、素直に受け入れることができました。

しかし、次に会社からの支給品を渡されたときに違和感を感じます。

「はい、これを明日から使うからね。大事に使ってね。」

そういって手渡されたものは

・10cm程度の鉄の平定規
・ノギス(幅を測るもの)
・作業着
・安全靴
・革手袋

でした。

あれ? 設計とかしないの?PCとかって支給されないの?
これだと、作業者と同じじゃないのか?

色々と焦りが生まれます。
「あれ?あれ?なんかイメージとぜんぜん違う!」

そんな焦りを顔には出せず、頭の中で一生懸命状況を整理しようとしているとき、O課長からの一言で更に焦りが加速します。
「じゃあ、明日から早速、生産現場の応援に行ってもらうからね」

「え?あれ?自分はブルーカラー採用なのかな?汗」

配属一日目は大混乱のまま終わるのでした。

#6につづく

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