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居心地の良い 家族の目線


こんにちは!ゆいです。


先日、​岸田奈美さんが脚本を書いたショートフィルムを見ました。


岸田奈美 「あの子を連れて旅に出たら わからないことをわかりたくなった話


視神経脊髄炎スペクトラム障害という難病を持つ母親と、その娘と娘の彼氏が、親戚にすっぽんを返しに行く話です。


家族とはなんだろう。病気の母と娘の姿を見ながら、考えさせられました。



お話自体、とても素敵でした。

でも、さらに衝撃を受けたのはエンディング曲。



柳ひろみ「Ryoute」


このショートフィルムのために描き下ろした曲のようで、エンディングで3人(母親、娘、彼氏)が歩いている姿と一緒にこの曲が流れて号泣した私。いやー泣いた。


それから毎日聴いています。


この曲の歌詞が「家族」を表しているのであれば、私はすごく共感する。


今日は、家族という集合体について、私が考えていることを話します。


分かり合いたい。向き合いたい。それが家族。


仕事柄、家族の話をたくさん聞きます。


「もっと愛されたかった。」

「何を考えているのか、言ってくれない。」

「たとえ離れたとしても、私の中から家族の存在は消えない。」


人は自分の話をする時に、家族との思い出から話してくれることが多いです。


家族との関係があって、今の自分がいると。

家族という出発地点があって、今の自分がゴールだと。


私にとっても、彼らにとっても、誰にとっても。家族というものは大きな存在で、自分の人生の一部なのです。切り離しては考えられない。


分かるはずだと強気になって あなたのための両手を出して 手応えもなく弱気になる 手を閉じてしまいそうになる (柳ひろみ Ryouteより)


それくらい大きな存在だからこそ、多くの人が苦しんでいる。


もっと私を理解してもらいたい。もっとあなたを理解したい。もっと、お互いの目を見て、分かり合うことをしたい。あなたのために出したこの手を、とってほしい。


あなたの傷みを感じたくて どんなに痛くたっても良くて それでももらうことはできない ひどくちっぽけなこの両手で (柳ひろみ Ryouteより)


大人になるとわかってくる。家族は、テレビCMやサザエさんに出てくるような理想の形だけではないということ。家族の中身は、みんな生の人間だということ。


どんな時でも受け止めてくれるわけではなくて。時に傷つけ合うこともしてしまうのが家族。


私たちはそれを理解しながらも、もがいてしまいます。そしてその時、私たちの目線は自分の家族をに向いています。分かり合いたいのに。愛し合いたいのに。全然うまくいかない。その瞬間、私たちは苦しい。


家族をまっすぐに見つめている私たちは、苦しい。


あなた「と」前に。


「Ryoute」のサビが私は好きです。いやー、やられます。


だから 歩いて 歩いて 歩いて 歩いて あなたと前にただ手をのばすだけ


冒頭でお伝えしたショートフィルムは、最後に登場人物3人がゆっくりと歩いていきます。そこに柳さんのキレイな声で「歩いて 歩いて」と入ると、胸が締め付けられる感じがします。


私は、この歌詞が好き。


あなた 「と」 前にただ 手をのばすだけ


最初聴いたときは、あなた「の」前に手をのばすんだと思いました。


よくよく聴いたら、あなた「と」前に手をのばすのです。


家族である私たちは、横に一列になって、前を向いて、その前に向かって手をのばすということ。そう理解しました。


向き合いたかった私たちの目線は、一緒に前を向くことになります。向き合わない。お互いの目を見て、分かり合うという選択肢がなくなります。私たちは同じものを一緒に見るだけなのです。



「わかりたいと思う、それだけでいいんじゃないか。」


彼女のそのツイートもまた、私の心に刺さりました。ずきゅーん。


分かり合うという選択肢を手放す。それは私に、大きな気付きを与えてくれます。


褒めてほしかった。愛してほしかった。その先に目線を向けた人は強い。


私は最近、家族との関係について取り組んだ先に「家族へのこだわりを手放せた」とか「自分の心がようやく楽になれた」という人に出会う機会が多くあります。


「もっと褒められたかったけど、それが叶わないから、自分で自分を褒めることにした。」


「もっと愛してほしかった分、自分で自分を愛することにした。」


「欲しかった愛情を子供に注いでたら、子供から純粋な愛情が返ってきた。」


彼らは、目線を家族から前に向けたんだ。と私は感じるのです。そしたら、止まっていた時間が動き出して、前へ前へ、自然と歩いていくんだと感じたのです。



目線を前に向けた人は、強い。



人は前を見ないと歩けないから。歩こうと思うと、前を見ずにはいられないから。私たちが前を向いたら、家族も、「何が見えるのかな?」って、前を向くんだと思うのです。


そして、一緒に前を向いたら、歩き始める。


歩いて 歩いて 歩いて 歩いて あなたのそばで笑わせて あなたのために笑わせて (柳ひろみ Ryouteより)


終わりに


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


もし、読んでくれたあなたが、家族から目が離せない状態だったら。苦しくて苦しくて、家族に向かって手をのばしたり、広げたり、掴もうとしたり、いろんなことするんだけどうまくいかない状態だったら。


ふと目をそらして、前を向いてみてほしい。家族があなたの見える景色に追いつくまで、待っててあげてほしい。


「Ryoute」は、そんな気持ちにさせる曲です。


良かったら聴いてみてくだされー。泣いちゃうよ。


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みてねー。

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