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自分の世界を作っているのは自分

首をかしげた木と目が合った。
「どうしたの?」って。
不思議そうにこちらの様子をうかがっている。
クスクス笑う木もいるし、心配そうに見下ろす木もいる。

「かまってくれるの?」って距離をはかる野良猫。
「見てんじゃねぇよ」とそっぽをむくのもいる。

「がんばれ」って背中を押してくれる風もあれば、「やーい!」といたずらをしかけてくる風もいる。

自然はおしゃべりで、おせっかいで、やんちゃで。
だけど、誰一人として、いや何一つとして私と会話したわけじゃない。

言葉をしゃべらせているのは私。
だから私の頭の中にない言葉は出てこない。
私が思ったように、思いたいように解釈しているに過ぎない。
出会うものはすべて、結局のところ、私のオリジナルストーリーのキャストなのかもしれない。

これって人にもいえることかも。
好きなあの人も、私が見ている一部から全体を形作って好きになっているような気がしている。
もしかして、心の中ではめちゃくちゃ悪いことを考えていたり、ずるいことをしていたり、なんなら私を大嫌いだったり。それでも私の頭の中のあの人はそんなことをしないから好きだと思えているだけなのかもしれない。

嫌なあいつも、私が見ている一部が大嫌いだから、嫌なやつにしてしまっているだけかもしれない。

なんだか、自分の世界って自分の手の中にあるんだなって。

嫌なあいつをいいやつ認定するのは難しいけど、できるだけ排除することはできる。私の世界にシナリオがあるなら、そのキャストの出番を極力減らすこと。

楽しい場面を増やしていけば、人生ってきっともっと楽しくできるんじゃないかな。意外と自分の世界、自分の手でなんとかできるのかもしれない。


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