ふわこ一周忌
去年の今日、令和4年7月28日にふわちゃん亡くなる。夜中の2:45くらいだった。28って、ふわの日。まったく気が利いている。
27日の朝、もう一度病院に行っておく。これが最後の点滴。病院のふわちゃんは終始手のかからない大人しい子。本当は全然、違うのに。
仕事から帰ると、いつものふわちゃん。けれど、今夜、絶対に死ぬ。わかる。ここ数日で、ふわちゃんの見た目はガラリと変わった。目はキュッとつり上がり、全盛期のダイナマイトボディとは真逆のガリガリ。足も弱っている。けれど、中身はふわちゃん100%。死が近いなんて、これっぽっちも思っていない。
見事なまでに悲壮感0。不具合もろともせず、やたら動き回る。猫にも認知症があるのかも。部屋、クローゼット、廊下、玄関、隣の部屋と、数分も落ち着かずに移動する。そのたびに、今朝の点滴がおしっこになって出るので、ペットシーツを持って追いかける。トイレでは足が立たずに座り込んでしまう。もう前足で上半身が支えられないから、顔半分器につっこんで、びしょびしょになって水を飲む。クローゼットで小さなうんこ。最後のうんこ。こんな時にも、いつものようにお尻を叩けという。こんなガリガリのお尻を叩かせるなんて、ふわちゃん、やっぱり変わってる。
こっちはへとへと。そして眠い。猫が死ぬ時って、もっとこう、静かな感じじゃないのかな。最後までこんなドタバタって。
一瞬、寝てしまった。5分くらい寝たのかも。クローゼットでふわちゃんは息を引き取っていた。「ガンバの冒険」のノロイみたいな顔。怖いよ、ふわちゃん。最後がその顔って、それはないよ。やっぱりふわちゃん、面白い子。こんな時なのに、ちょっと楽しいよ。
用意していたピンクの棺。カーブの多い山道を上がった先、だだっ広い山の空き地。おししの時と同じ火葬場。断崖絶壁の、ともすれば絶景ともいえる場所。ふわちゃんの骨、意外に小柄な猫サイズ。「白くてきれいだし、病気で辛い思いはあまりしていなかったと思いますよ」と言ってもらって少し気が楽になる。
何もない山の空き地の一角に、人工的な小さな橋。ここ、キムタクの映画のロケ地になっていたらしい。「公開されるまで内緒にしておいてくださいね」とのこと。そうか、だったら記念に観に行ってもいいな。キムタク映画、やっぱり、行かないかな。