認知症×薬剤師×HDS-R(?
長谷川式認知症スケール(HDS-R)と薬剤師、関係するなんてなかなかイメージが湧かない方が多いはず。
「いやむしろ薬剤師こそHDS-Rを見なきゃ~!」と思っていたところにお声がかかり、とある会にて薬剤師向けに90分の講演をさせて頂きましたのでこそっとどんな話だったのかをお伝えします。
薬飲めない?とりあえずカレンダーにしとけ!
認知症の方が、薬が飲めなくて困っている。そんな経験は多くの方が持っているはずです。 処方して、飲んでいただいているはずなのにデータが悪化していく。痛みが良くならないと思っていらそもそも飲めていない…
そんな時にカレンダー式って便利ですよね。
でも、どんな人にもこれがうまくいくのでしょうか?
認知症がどれぐらいの程度かもわからず、とりあえず「対策」を取るのは私たちの悪い癖です。 「患者さんが転倒したので、対策は… これからもっと気をつけます!」のように、無理筋に見えます。
認知症を理解するために、患者さんに対して詳細な診察をするわけにはいかない薬剤師こそ、このHDS-Rをみることで患者さんに対して「オーダーメイド」の対応をすることが出来るんです。
長谷川式認知症検査の項目別解説
検査をする看護師向けに以前作ったスライドをシェア。
この検査項目を1つ1つ深掘りしながら、参加者と共にHDS-Rをしながらワイワイと話を進めました。
脳についても出来る限りデフォルメしながら、認知症についての知識をざっくり入れてもらえるよう工夫をしています。ちなみにこの脳、PowerPointで手書きして作ったんですよ… 1時間ぐらいかかりました。えっへん、こういうのが好きなだけです。
記憶するってどういうこと? 忘れるってどういうこと? 覚えられないってどういうこと?
これを、以下のTwitterを引用しながらお話しました。
HDS-Rでも「3つの言葉を覚えていてくださいね」→「計算問題」→「3つの言葉なんでしたっけ」と聞くこの流れが、まさに作業記憶や近時記憶を問う問題であることと類似しています。ああ、なんてタイムリーなtweetなんだろう。
最後はみんなで長谷川式を実際に読み込んでみて、どのように活用することが出来るのかを示してまとめとしました。
さらに5分間のブレイクしてからのアウトプットもセット。
講義の最初でこのスライドを提示したのも、今回の講義の工夫です。
工夫ポイント
● 目次:大体の目次を伝え、今日やることを伝えていく
● goal:目標を伝えて、会が終了したときにあなたにどうなっていてほしいかを伝える
● 時間配分:講義の時間がどれぐらいなのか? ブレイクして話し合う時間があるのか? 質疑応答する時間があるのか? をあらかじめ伝えることで時間の見積もりをしてもらう
● 時間表記:は 1時間10分 ではなく、 70分 と記載したのは 70分の方が時間を短く感じるらしいから。
難しいことはさておき、まずはHDS-Rを手に取って、みてみるところから始めてほしいなと思います。
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