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【福島映画教室】山田洋次監督と犬童一心監督のマスタークラス in みどりの里せせらぎ荘@葛尾村~フーリエフィルムズ~


全国・世界・地元から、福島県12市町村に、芸術家が集まり、滞在制作をするハマカルアートプロジェクト(経済産業省令和5年度地域経済政策推進事業(芸術家の中期滞在制作支援事業))から、映画ファンが参加出来る公開プログラムとして、山田洋次監督と犬童一心監督が直接講義をする「福島映画教室」マスタークラスが行われました。

2024年2月13日に葛尾村”みどりの里 せせらぎ荘”を会場に開催された同マスタークラス。タル・ベーラ監督が教鞭を執り、世界から集まった7人のフィルムメーカーによる滞在制作を通じた、映画監督育成プログラムのアウトリーチとして開催します。

世界の巨匠が福島県の葛尾村に集まる、またとない機会に多くの人が訪れました。

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山田洋治監督×犬童一心監督マスタークラス

本マスタークラスは山田洋治監督作品『たそがれ清兵衛』(2002)の上映後に行われた。
7人の受講生のうち、3名は撮影のため不在で、大浦美蘭さん、福永壮志さん、シュ・ジエンさん、ロヤ・エシュラギさんの4人が参加し、一般にも公開されました。
マスタークラスは犬童監督、挨拶から始まり、山田監督がタル・ベーラ監督の作品に感銘を受け、犬童監督にタル監督作品を紹介していたこと、タル監督の訪日を知り山田監督の『映画魂に火がつき』今回のマスタークラスが実現したことなどを語った。

山田監督のマスタークラスではまず、タル監督と直前に行われた会談を振り返り「タル・ベーラ監督は謎めいた人物。そんな彼が日本にやってくる。彼に会える機会は滅多にない、こういう人は深い話をしなくても会うだけで意味がある」と語った。
その後、山田監督の助監督時代を振り返り、監督になるまでの技術の進歩や監督としてのスタンスなどについて話した。

受講生からの質疑応答では、福永壮志さんから「いつ山田監督自身が監督としてやっていけると思ったか」と質問。
山田監督は『馬鹿まるだし』(1964)のエピソードを取り上げ、劇場でお客さんが大笑いしながら見ていると知り、自信が持てたと語った。
大浦美蘭さんからは「学生時代に自由に映画が撮影できたら、どんなものを撮りたかったか」と質問されると、学生時代は観念にこだわり過ぎていたと話し「映画は映像だから形がないといけない」と答えた。
また、現在はじめての長編作新のシナリオを執筆しているロヤ・エシュラギさんが長編を書く上で大事なことのアドバイスを求めると、構成の大切さを黒澤明監督の『生きる』(1952)を例に挙げ解説。

受講生、一般参加者ともに、山田監督の映画に対する思いを伺える貴重な機会となりました。