前職の円満退職に救われた話
実は休職期間に入るちょっと前に、前の職場に出戻りできないか元上司の方に相談していた。
前職はほぼリモートワークで働いており、就業環境的には全く文句なく、長い間働いていたので人間関係も問題なく(というかリモートなので良い意味で希薄)、辞める時も相当悩んだ。それでも新しい職場で働く魅力に負けて退職を申し出たという経緯があるのだが、辞める時も皆とても快く送り出してくれたし、郵送で色紙も届いた。ゆるく繋がっているけど、お互いを尊重しあう人間関係がとても心地良い会社だった。
転職後しばらくは順調だったものの、ほどなくして激務とパワハラに苦しめられた私は、そこで働き続けるイメージがもう持てなかったのかもしれない。
退職後も元上司の方とはちょくちょく連絡を取っていたのだが、出戻りの話をした時には大層驚いていた。それはそうだ、辞めてからまだ一年も経っていないのだから。それでも喜んでくれて、上に聞いてみると言ってくれていた。
それからすぐに休職に入ってしまったため、その旨も伝えておかなくては、と思って連絡したところ、やはり休職に入ってしまうと話が変わってしまうらしく、心身共に健康な状態でないと受け入れることは難しい、と言われてしまった。
それでも検討してくれたこと自体が有難かったし、私は丁重にお礼を言って「この先どうしようかなぁ」と前に触れた調律師を検討してみたり、転職サイトで求人を探したりしながら過ごしていたのだった。
実際、傷病手当金や失業手当が出ている間はなんとか生活できると思っていたが、やはりアルバイトしないと厳しいかもしれないとは感じていた。ただ、失業手当を受給中は週20時間までしか働くことができない。
相当に割のいい時給バイトでないと雀の涙程度の収入しかないだろう。
そんな風に悩んでいたところ、出戻りを相談していた前職から連絡があり、「業務委託の形で仕事をしてみないか」という打診だった。
これまで直雇用でしか働いたことがなかった私は、業務委託で仕事をするということがどういう形になるのか全くイメージが湧かなかった。
詳しく聞くと、業務委託の形で前職場の仕事を何か月か継続的に受注していく。そこで前職の仕事をこなすことができるという実績を作っていけば、それをアピール材料に復帰できるかもしれない、という計画だった。
そこまで考えてくれていることに本当に感謝しかないし、純粋に収入源としても有難く、断る理由はなかった。
前職を円満退職していて良かったと心から思った。と同時に、休職→ダイレクト退職する現在のB社とは、もうこういう形で縁がつながることもないだろうと考えると、悲しい気持ちになった。
業務委託の件について私は快諾し、休職明け(=退職後)から早速仕事を受注していくことにした。