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ワーケーションで逆にストレスが溜まった話

A社に在職していた頃、コロナ禍をきっかけにフルリモート勤務となり、「ワーケーション」なるものが流行り始めた頃があった。

私は暇さえあればどこか行きたい旅行好きだったので、「仕事しながら旅行とか、最高かよ…」と思い、その夏、気が付けば会社へ遠方勤務の申請をしていた。当時のルールだと、緊急で招集がかかった時に3時間以内に現着できる場所、というものがあったので、私はかねてから憧れていた「歩いて海まで行ける距離の一軒家ホステル」を逗子で見つけ、そこに拠点を決めた。
期間は5日間。妻も快く送り出してくれて、夢のワーケーション体験が始まったのだった。
だが、これは思っていたよりも良いものではなかった。以下にその理由を記す。


①意外と集中できない

私が行ったホステルは、1Fにワークスペース(デスクや椅子が並び、疲れたらソファで休憩できるスペースもある)があり、2Fに個室があった。ちゃんとワークスペースがあるのだから捗りそうなものだが、これが意外と使いづらかった。まず外付けのモニターがなかった。家ではデュアルモニターで仕事をしていたので、これは実にストレスがかかった。
また、他の宿泊者も同じスペースで仕事をしているので、オンラインMTGなどの際にはイヤホンマイクをして話すのだが、そのスペースに私の声だけが響き渡る状況が嫌で、炎天下の外に出て立ちながらMTGに参加していた。
また、歩いて3分で海まで行けるというロケーションゆえ、早く海に遊びに行きたい気持ちでソワソワしてしまった。全体的に作業効率はだいぶ下がっていたと思う。

②稼いでいるのか、浪費しているのか分からなくなる

ホステルの宿泊費や逗子までの往復交通費は当然発生しているので、なんだか「お金をかけて仕事してる」みたいな気持ちになってしまった。仕事をしている間中、これお金使いながら仕事してるようなもんだよな…と。これは私の中でかなりモヤモヤした。

③外に遊びに行きたいけど、当然仕事だから行けない

何を当たり前のことを言っているのか、と思うだろうが、これは実際その環境に身を置いてみないと分からない感情だと思う。すぐそこには海があって、駅前には楽しそうなお店やレストランがあって、なんで私は仕事をしないといけないのだ。日中は仕事なので、海には朝か夕方からしか行けない。当然水着になって泳ぐなんてことはできないし、海の家も開いてない。これ、一体なんの修行だ?


要するに、全てが中途半端なのだ。

この時私が学んだのは、「ワーケーションに行くなら、仕事を入れない日も必要」ということだ。何なら、5日行くなら仕事は2~3日で終われる量に。あとは有休をとっておくくらいしておいたほうがいい。私の場合は5日間、みっちりと普段通りに仕事を入れてしまっていたため、本当の意味で心が開放されたのは5日目の夕方からだった。翌日の午後には家に帰らないといけない。これは悲しかった。

今はまたフリーランスとして、どこでも働ける状況ではある。
だが、私は結局仕事は家でするのが性に合っているようだ。
旅は旅、仕事は仕事にしたほうが、最終的にどちらも充実度が高いと思う、という話。

#ワーケーション #フリーランス #リモートワーク #ストレス #旅 #逗子

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