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今、10年前のCL決勝を見ると何か見えるものがあるかもしれない -Part4-

こんにちは。

濵田祐太郎です。

3回にわたって同じテーマで書いています。

前回、バルサの攻撃についての分析が終わったので、今回はユベントスの攻撃について書きます。

どのような戦い方をしていたのか見てみます。

●ユベントスAttack vs バルサDefense

◯ブスケツ vs 2FW

 前回までで書いたように、バルサは攻撃に重きを置く。さらに、攻→守の意識も非常に高い。特に相手を押し込んだ時である。

 この局面ではブスケツがキーマンとなる。ブスケツは押し込んでいる際、全体を見渡す位置で常にフリーになる。そして奪われそうな瞬間に近い起点を潰す。この予測が素晴らしく、潰し切ることができる。

 また、逆SBの位置も特徴的である。今回の試合では2FW+STが前残りでいたため、逆SBがSTを捕まえることで前進を防いでいた。

 そしてクロスが上がりそうになると、ゴール前へ駆け上がりPA内に人数をかけるのだ。

 当然、それ以外の選手の切り替えも速い。パスを出した瞬間に繋がらないと判断するとその足でボールに襲いかかるのだ。

 一方、ユベントスは奪った瞬間2FW+STを使って一気にゴール前へ迫りたい。1本目のパスはSTを狙う。ここで受けることができれば、2FWの選択肢を持ちながらST自身で運んでいくことができる。

 ただ、バルサは先ほど書いたように1本目の楔を潰す準備をしている。ユベントスの狙いとバルサの対策が真っ向勝負する局面である。

 この勝負はバルサが勝利していた。それに伴い、ユベントスは別ルートでの前進を図った。ボールを奪うと素早くSBへ持っていき、SBからラインボールを配球する。そこにFWがサイドへ流れながら背後へ抜けていくのだ。

 守→攻というカオスの局面でも、こうしてバルサの対策に対応しながら試合を進めていった。

◯ビダルの抜け出し

 バルサのPressingは4-3-3である。3FWは相手のゴールキックやバックパスからのプレスはかけるが、基本的には立っているだけである。3FWのギャップもガバガバで簡単にユベントスVOが受けることができる。

 したがって、バルサは1stプレスラインを突破され、Middle Thirdで4-3で構えることが多い。大外を使われるとSBが縦を塞ぎ、IHがカットインを対応をする。

 これらの構造に対して、ユベントスは以下のように組み立てる。

 DFライン(特にSB)がボールを持った時、前の選択肢としてビダルがCSブレイクを必ず行う。

 右サイドなら、テベスがライン間に顔を出す。それによって縦とライン間の選択肢を持てるのだ。

 左サイドなら、ポグバがライン間で顔を出す。テベスはその奥でボールを呼ぶか、背後へ抜けてDFラインを壊す。

 このような動きの後、前を選択できずにCBへリターンした場合、ビダルはそのサイドで留まる。したがってリターンは4-1-2-3の配置になることが多いのだ。そこへピルロからの配球がある。

 1stプレスラインを突破するパスをピルロが受けると大外で張っているFWまたはSTへの配球がある。または、背後への配球である。モラタのアクションに加えて、ポグバも2列目から飛び出すことができる。

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以上で今回の記事は終わります。

今回はバルサ「攻→守」 vs ユベントス「守→攻」の局面に加えて、

バルサPressing vs ユベントス組み立てについて書きました。

構造上どうなっているのかについて書いていますが、最も大切なことは選手の特徴を活かすことです。

ユベントスの組み立ての構造は一見無理があるものには見えますが、ビダルという選手の能力に頼ることで唯一無二の戦術を披露しています。

次回はルーズボールについてです。

引き続きよろしくお願いいたします。

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