ライブアイドルの物販とボードゲーム
こんにちは、七盤のハムさんです。
この記事では、「ライブアイドルの物販で使えるゲーム」について、簡単に検討してみようと思います。
検討のきっかけ
この前、ボードゲーム女子・ボードゲームアイドルの柚井ゆいさんから、Twitterで一つの疑問が提示されました。
その後リプライなどのやりとりで、柚井ゆいさんは具体的にはライブの物販でできる簡単なゲームを探していたということが明らかになりました。
これを見て、既存のボードゲームとして条件を満たすようないいものがないと判断したハムさんは、簡単なチキンレースゲームを提案しました。
のちに、数多くのゲームデザイナーさんや有識者さんのあたたかいご意見をいただいて、これではゲームとして成り立たないことが明らかになったわけですが、「じゃあどんな提案がよかったのか」という点についてこのnoteでは検討していきたいと思います。
※このゲームは即席で考えたものであり、このゲームが成り立たないことをもってハムさんのゲームデザイン能力を批判することはおやめください。
ライブアイドルの物販
考えてみる前に、まずは「ライブアイドルの物販」について私が知っている範囲で説明しようと思います。
ライブアイドルのライブ
ライブアイドルの場合、小規模(キャパ100人程度)のライブハウスで複数のアイドルが変わりばんこにステージに上がり、ステージでライブをした後に物販を行う、という流れが一般的です。
一組(一人)のアイドルの持ち時間はライブ(20分)/物販(60分)くらいが一般的です。
物販のシステム
ライブハウスのロビーや終演後のフロアにライブが終わった後のアイドルが来て、会議用の長机の上にグッズを出して物販を行うことが多いです。
複数のアイドルの物販が並行して行われることが多く、終演後には六組ほどのアイドルが同時に物販をすることもあります。
物販のファンの様子
物販ではグッズを買うことはもちろんのこと、アイドルとの会話やチェキの撮影など、コミュニケーションを楽しまれる方が多いです。
チェキにはその場でサインとメッセージを書いてもらうこともあり、ファンはチェキを大切に保管します。
(物販という名の即売会・握手会・サイン会・撮影会が同時に行われていることをイメージしていただければ、カオス感が伝わるかと思います)
物販ゲームの要件
上記を前提としたうえで、物販で使えそうなゲームの要件を考えてみます。柚井ゆいさんも言及されている要件も多いですが、いくつか観点をふやしてみました。
プレイ時間
アイドルとコミュニケーションが取れる時間はグッズ購入や握手会なら20秒ほど、チェキ撮影+メッセージの記入でも3分程度ですから、ルール説明からゲーム終了まで3分以内であることが望ましいです。
プレイ人数
ファンはアイドルとのコミュニケーションを楽しみにしているので、2人で遊べることが重要です。
道具
道具はできる限り少ないほうが望ましいです。
・ボードは使えない(机には物販のグッズを並べたい)
・カードも数枚が限界(コロナ対応的に使い捨てにしたい)
したがって、道具の制約は以下がよさそうだと結論づけられます。
・できる限り道具を使わない手遊び
・ゲームで使った直筆メモを持ち帰って記念にできるなどの工夫がある
(チェキの例で示したように直筆はファンにとって特別です)
外見
外から見て「何をしているのかわかること」と「楽しそうと思われること」も、できれば欲しい要素です。
前述のようにアイドルの物販では、複数の物販が同時に行われるので、別のアイドルのファンも物販の会場にいるわけで、「ゲームをやってるアイドルがいた」と認知してもらえば、新しいファンの獲得につながります。
導入案① ユビスマ
柚井ゆいさん自身も挙げていた「ユビスマ」はこれらの要件を満たす非常に優れたゲームです。順に要素を見てみましょう。
プレイ時間 おおむね2分で終わる
プレイ人数 2-6人くらいまで
道具 特に不要
外見 何しているかわかる
マイナスポイント
みんなに知られているため「目新しいことをやっている」と思われにくく、新しいファンの注目を集められるかというと難しいかもしれません。
導入案② 雨崎レールさん&ひみつりさんの合作ゲーム
ハムさんの即席ゲームが使えないことを前提に、杓子兵器の雨崎レールさんに別案はないか尋ねたところ、以下のようなアイデアをいただきました。
雨崎レールさんの案
偶数/奇数が示せればよいので、本質的には0/1の2択でよいのですが、原案の0-5の数字を使うという点を尊重してこのような意見を言ってくださったのだと思います。
このゲームには、次のような課題がありました。
・偶数/奇数の説明が必要な場合がある
・どちらが偶数/奇数を担当するかの相談が必要
これを解消したのが、次のひみつりさんの案でした。
ひみつりさんの案
これにより、偶数/奇数を説明して担当を決める必要がなくなり、アイドルとファンとの一体感の高まるゲームとなりました。
先ほど示した要件に当てはめてみると、ユビスマよりよさそうです。
プレイ時間 20秒で終わる
プレイ人数 2-4人(アイドルと同じ手で勝利というルールなら3人以上OK)
道具 特に不要
外見 何しているかわかる/なんか楽しそう
マイナスポイント
特になし(ユビスマよりもオリジナル感や一体感が高い)
まとめ
実際に、物販では導入案②のゲームで楽しく遊んでくださったようです。
ゲームデザイナーさん・有識者さんの集合知はすごい!
雨崎レールさん・ひみつりさん以外の皆さんもアイデアや指摘をくださり、大変ありがとうございました。
今後の課題
今回、提示した二つの導入案はいずれも「道具を使わない」ものでした。
先に示した要件では、「直筆メモを使う」というのも一つのアイデアとしてあったので、ここについて掘り下げれば新しい物販ゲームの可能性が見えてくるかもしれないと思いました。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。