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僕と君と1984年の洋楽のこと


●ミュージック・マガジン『レコード・コレクターズ 2024年8月号』

【特集】 ポップ史を塗りかえた1984年をふり返る

読了。

ここからは読書感想文です。

◾️僕と1984
1984年と言えば僕は2歳の頃です。
保育園の年少さん。
音楽への関心はないようであるような。
少年隊とC-C-Bは好きだったですね。
古い記憶で、園内のお立ち台で歌わされていた記憶があります(笑)

1984を年を見るには、1984年に至るまでの流れを見つめる必要があります。

1980年にシンセサイザー「フェアライトCMI」や「シンクラヴィア」が発売され
1981年にMTVが開局。
1984年まで経ると、自ずと電子音がふんだんに使用されたシンセサイザー・ポップが隆盛を極め始める頃です。
今回のレコードコレクターズではその1984年に発売された洋楽アルバムの重要作をまとめて紹介されています。
全138枚、なかなか個性溢れる作品が並びます。
僕も勝手に1984年発売の洋楽アルバムを6枚選んでみました。
頼まれてもいないですが(笑)

ーーーーー

◾️アート・オブ・ノイズ「誰がアート・オブ・ノイズを…」
今聴くと、「ビート・ボックス」をはじめとして、なかなかビートの強いナンバーが並びます。
僕はこのくらい主張の強いリズムが好きなのですが、20代のはじめの頃、真似したらマネージャーに叱られましたね(笑)そのくらいスタンダードからは外れた音に聴こえたんだと思います。



◾️デヴィッド・ボウイ「トゥナイト」
この人が出す作品は、この人の感性がどのように、この時代を切り取ったか?というのが興味深い所ではあります。
この頃のボウイは声も少し変わり始め、アメリカン・ポップな香りを纏う作品となっています。
前作「レッツ・ダンス」をメロディアスにした昇華の延長線上にあると思います。
「ブルー・ジーン」はことのほか良い。



◾️ハワード・ジョーンズ「ヒューマンズ・リブ」
シンセ・ポップの大御所。
この人の特徴はリフ。
冒頭から全体まで広がる繰り返すリフ。
音色もビビッドで、編み物のように繊細に組み合わされたシンセサイザーの音達。
シンセ・ポップはこう作るんだよ、というお手本のような一枚。


◾️トーク・トーク「イッツ・マイ・ライフ」
全体的にシンプルで乾いた音で構成されています。
曲の傾向のバランスもよく、これはプロデューサーのティム・フリーズ・グリーンの力による所も多いと推測されます。
シングルカットされたナンバーはどれも哀愁があり、印象的なリフレインが多く、歌のインパクトよりもシンセサイザーのフレーズの華やかさが際立っています。


◾️デヴィッド・シルヴィアン「ブリリアント・ツリーズ」
僕の思う名盤。ポストモダンの傑作だと思っています。
JAPAN解散後、シルヴィアンの電子系鬱病紳士的な世界にファンク、ジャズ、アンビエントを調味料として溶かしたような一枚。
元JAPANのスティーヴ・ジャンセン(弟)をドラムに、ホルガー・シューカイ(元カン)をギター、リチャード・バルビエリ(元JAPAN)、スティーヴ・ナイ、坂本龍一というピアノもシンセサイザーも弾けます勢を何人も起用し、全体的に濃厚で妖艶。
個人的に全体のBPM(曲の速度)もミドルなのに、気持ちが高揚するのは僕がきっとJAPANの事も、坂本龍一氏の事も、スティーヴ・ナイ氏の事も好きで、脳内でどんな感じでライブする?とかを想像してしまうからでしょう。
だからなんとなく元気が出ない時はこのアルバムを聴いて心を整理しています。(余談・蛇足)


◾️トーマス・ドルビー「ザ・フラット・アース」
ロック、ジャズ、ファンク、シンセ・ポップとこれらのジャンルの親和性は言わずもがなですが、生楽器の比重が高く、リズム隊の多様さは聴いていて飽きさせません。代表曲の「ハイパー・アクティブ」は一聴してすぐに『教授もこの時期にこういう曲好きだったろうなぁ』と思っていたら、次の年には共作していました(笑)


●総括
ヴァン・ヘイレン「1984」
マドンナ「ライク・ア・ヴァージン」
ワム!「メイク・イット・ビッグ」
プリンス&レボリューション「パープル・レイン」
スタイル・カウンシル「カフェ・ブリュ」
も1984年のリリースです。

映画の「フットルース」も「ゴーストバスターズ」も1984年です。
勿論、そのサントラも秀逸です。

このアルバム達がどれだけ素晴らしい名盤か、それはこの特集でなくても語り継がれていくのですが、この作品達がこの1984年に集中してリリースされたのは奇跡的だと思います。

そうさせる何かがあったのか?
と、調べましたが、決定的な何かには辿り着けませんでした。

“シンクロニシティ”と言いますか(因みにポリスの名盤「シンクロニシティ」は1983年リリース)。。。

だからこの1984年は奇跡なのか。


HLN

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