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一晩だけの約束の初めての猫育て

「ひょっとしたら育たないと親猫が判断して
わざと置いて行ったのかもしれません。
その場合は一晩ももたないかも。。。」

粉ミルクの作り方、排泄のさせ方を教わり
哺乳瓶とミルクを持たされ
ミルクが飲めたかどうか確認するための計量器はありますかと
尋ねられ
はい
と答え
さあ帰ろうと思ったその時に
先生が背後で呟きました

驚きすぎて背が2センチぐらいのびたような気がした
えっ?!そんなことあるんですか?
と振り向く私に
「まあ ね 一晩は大丈夫だと思いますけど・・・
何かあれば朝早くても良いので来てくださいね」
と笑顔の先生

帰宅の道すがら
一緒に着いてきた次男と長女と
「とにかく、まずはミルク飲めれば大丈夫だよね」と
話しながら帰ったことを覚えている

3時間おきに授乳が必要
人間の子供と一緒なんだな

「俺たちもちゃんとミルクあげるから!」と
張り切る子供達を信じて
まずは寝床を用意
中心に猫ちゃんセット
(お湯を入れたポット、哺乳瓶、粉ミルク、
体重を測定するための計量器、
お尻を拭くためのティッシュ、
猫ちゃんを寝かせるカイロと毛布入りのダンボール)

そこを囲むように猫ちゃんセットの方に頭を向けて
私含め四人が放射状に布団を敷いて寝る事にした

病院で先生がミルクをあげて見せてくれたが
おそらくあまり飲めてなかったのだろう
帰宅してすぐに猫ちゃんは泣き始めた
それミルクだと
急いで準備
猫ちゃんを片手のひらに乗せて
温かく柔らかい小さな小さな身体を
そうっと四つん這いの姿勢でホールドした上で
いざ実食!!
いや
実飲?!

・・・
・・・
・・・

しかし
しかしだ
さっぱり乳首に食いつかない
無理に口に入れても
舌で押し出してしまう
なんでどうしてやり方がダメなんじゃないかと
騒ぐ子供達

どこかでみた事があるこの光景。。。
と思って思い出した
完全母乳だった我が子たち
全員哺乳瓶を受け付けなかった
あれだ!

この子はつい今朝まで?か?
お母さんの乳首しか知らなかった
この子にとって
哺乳瓶の乳首は
完全なる異物でしかないのだ

とはいえ
今は一瞬でも早く
この乳首に慣れてもらわなければならない
そうでなければ
この子は死んでしまう!!

乳首の先からミルクを滴らせて
口に入れてみたり
乳首の先に切れ目を入れてみたり
角度を変えてみたり
試行錯誤し続けると
少しだが吸ってくれた

やった!と思ったそのあとすぐに
すやすやと眠ってしまった
疲れたのだろうと思い
体重をそっと測ってみるが
やはり体重は少しも増えていない
次こそはちゃんと飲ませるぞと決意

眠ってから1時間も経つと
やはり空腹だったのだろう
早くも起きて泣き出した

それ!とばかりに急いでミルクを準備して
哺乳瓶を突っ込む
今度は比較的抵抗なく吸い出した
しかも
前足をちくちくと
いわゆるふみふみをしながら・・・
なんと!!可愛すぎる光景・・・

良かったやった!と思ったのも束の間
疲れるのか
すぐに吸うのをやめてしまう
これも我が子で経験済み
少しでも飲んでほしくて
飲むのをやめる・乳首を引っ張って起こす・飲む・やめる・引っ張る
を繰り返し
何となくミルクが少し減ったような気がした

恐る恐る体重を測ってみると
なんと
5グラムほど
体重が増えていた!

飲んだ!とみんなで大喜び
とてもとても嬉しくて嬉しくて
ぱーっと光がさしたような
ホッとしたような
体温が0.5度ぐらい上がったような
そんな気持ちになった
猫ちゃんを驚かせないよう
小さな声でやったーーーーと叫んだ

さあ次は排泄だ

ティッシュをお湯で絞り、
猫ちゃんのお尻をそっと優しくトントンする
加減がよくわからないなと思った矢先
じわっとおしっこが出た!!
やった出来た!
うんちも出るかな?と
ティッシュを新しくして
肛門付近をそっとなでなでトントンしたが
うんちは出ず・・・

それでもおしっこが出た
やったーやったと
また皆で喜んだ
心なしかお腹が少しだけ膨れたような?
そんなふうにも見えた

可愛い小さな暖かい身体を
そっと
毛布の上に置いて眠るのを見守った

それからきっちり3時間後
また起きたので
哺乳瓶チャレンジ続行

今度は何と8グラム!!
良かった
きっとこの子は育つはず!と
信じ始めた

そんなこんなで夜もふけ始め
上記の体制でみんなで一緒に寝た
夜中は交代でミルクをあげようと約束して


・・・
しかし
誰も起きなかった
ほんっと
誰一人!

まあ
予想はしていた

結局私が一人で朝まで3時間おきにミルクをあげ
ウンチとおしっこの世話をした
そう
うんちもちゃんとしてくれた
まだ柔らかい
臭くない
ミルク期の可愛いうんちだった


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