さい藤さん

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遅死11.02

天気予報は残酷なまでに正確だった。 一縷の望みに賭けていた自分を恥じ、日比谷駅構内でポンチョを被る。同じく雨具を装備し始める集団も、もしかしてそうなんだろうと勝手に同類意識を持ち、ふと口元が緩む。薄暗くなった道を1人歩き、程よい雨に打たれながら列に並ぶ。気分はさながら修行僧であった。ゆっくりと進むポンチョ集団と共に会場の門を潜る。雨降りしきる中、淡く光るステージ。 薄暗い通路をスマホで照らしながら、長椅子の端っこにちょこんと座る。 後方では今回のチケット争奪戦がいかに過酷だ