100日間、酒をやめる。-77日目-
職場にはバーカウンターがある。
まん延防止もあってほとんど誰も使っていなかったが、酒好きの新人1人に付き合って、この時間まで炭酸水を飲んでいた。
彼は飲みニケーション推奨派らしい。
時間が経つごとに饒舌に話してくれるようになった。
「俺、負けたくないんです!
どうしたらいいですか?!」
熱い思いをシラフでうんうんと丁寧に受け止める。
コミュニケーションの基本は話してもらう事、聴き手になってたくさん話してもらう事、自然と身についた営業スキルを冷静に惜しみなく活かしている。
「たしかにそうだね」
コミュニケーションが苦手だと自負して、気を遣いすぎてしまっていた自分は何だったのだろうか。
シラフでも出来るじゃん。
否、むしろシラフの方が無理なくほどよくコミュニケーション取れちゃうじゃん。
刺激たっぷりの快感はないけれど、
ほどよく楽しい、ほどよく有意義。
気持ちのいい明日が迎えられそうな気分である。