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海浜幕張は、ある種の魅力《存在論的不安》を与える街だった。

モノクロームが存在論的不安を演出している幕張ベイエリア


幕張ベイエリア視察のきっかけ

幕張は優劣ないから住みやすいとか言われているので、噂の幕張ベイエリアに来てみました。最寄りは海浜幕張駅です。そもそも少し前からよくTwitterで見かけていたんです。…タワマン所有者たちのやり合いを。港区は港区のプライドがあり、湾岸エリアは湾岸エリアのプライド。埼玉エリアもそれなりに競い合いがある。金額とロケーションだけでなく、職業、子育てなどなど。

マンションポエム=抽象的で詩的な売り文句(キャッチコピー)を指す通俗的な言い方。

大山顕が《マンションポエム》を流行らせたのはいつだったか。何年も前、TBSラジオの『安住紳一郎の日曜天国』で大山顕がゲストでマンションポエムについて語っていた。最初はウケる―と笑ってきいていた。『安住紳一郎の日曜天国』は毎年ゲストで出て近況報告していますし、ラジオクラウドで過去も聞けます。

商品であるマンション自体には触れない、という奇妙なルールを見抜いた大山顕は次々とマンションポエムを選出していく。すでに小バカにしているのが本音だが、そういう感じは出さないであくまでも研究のひとつという風をふかしているようでした。要するになんだかんだで手の届かないすっごーいもの、として扱っています。

住む人たちの自虐的自慢から見える葛藤

ところがタワマン文学は趣旨が少々違います。本当にタワマンに住んでいるかは別として、タワマンに住んでいる視点で自虐的に表現されています。
勝ち組の象徴であるタワマンを購入したものの、待っていたのは階層マウントとか。住んでいる人が『上には上がいて、子供の学習塾まで階層があって…という自虐的な雰囲気が基本のようです。
Twitter界隈ではタワマンからの写真をアップすると、窓の外の風景からマンションを特定され煽られたり、上層階で炊く米の味や、低層階とははるかに違う寒暖差でモンクレール代まで帳簿に載るとか。
すごい世界だなー、と傍観していると突如現れるほんわかした雰囲気の幕張ベイエリアタワマン住人。彼らの生態が気になったので、実際に現地へ行くことにしました。

東京駅経由で京葉線で来ました。京葉線までの長い移動は嫌いじゃないんですよね。でも通勤と考えるとかなりダルい道のりだと思います。海浜幕張駅のホームに降り立つと、イキっていた頃に見に行ったエミネムのライブを思い出しました。もちろん幕張メッセです。正確にいうとイキっていた友達とつるんでいた高校2年の頃か。僕はバレーボール推薦で入った高校で、バレーボールを辞めてしまって居場所がなかった。バイトを始めて、その頃遊んでいた友達です。はあ、嫌なこと思い出しちゃったな。
改札の中には『幕張豊砂』が開業予定との案内が出ていました。新しい駅があるということは数年先などはまだまだ大いに需要があるのだろうな、と思います。

幕張豊砂

南口をでるとすぐに三井アウトレットパーク幕張がそびえ立つ。三井アウトレットパークはお馴染みにの庶民的テーマパーク色があふれて楽し気です。すでに穏やかムードあり。家族連れが殆どで特に一人で来ているひとは、まったく見かけなかったような気がしました。
この日は11月祝日で晴天。まだコートはなくても過ごせる気候です。マスクしているけれど、平和なひとときです。まあ、買い物に来たわけではないのでアウトレットパークは通り過ぎるだけとします。

三井アウトレットパーク幕張

そして、海浜公園に入ると多くのファミリーがテイクアウトしたマクドナルドを食べていました。シートを敷いてそれぞれ好きなハンバーガーを頬張っています。

海浜公園

つられて食べたくなり買いに行こうとしましたが、最寄りのマクドナルドを検索すると、通ってきたアウトレットパークを戻って北口まで行かなけれならず諦めました。砧公園の近くのマクドナルド用賀インター店みたいな距離感で、この近くにもあればいいのに。

美浜プロムナード入り口から見える淡い色のマンション群

美浜プロムナードの入り口

公園を抜けると、見えてきました美浜プロムナードの入り口。アッピールポイントの路駐がみえますね。幕張ベイタウンの中では路駐が認められてる場所が多いようです。ちょっとした買い物や食事はやりやすい、フランス映画なんかでよくみかけるやつを想定したようです。公園から美浜プロムナードまでは公園大通りをまたぎます。歩道橋からの眺めです。なんか、あんまり生活感ないな。でもそれが良さなんだろうなー。

西欧っぽさは、かもしだしている

たしかに路駐が並んでると西欧っぽさありますね。フランスパン持ってる人がいれば映えるのに。外壁の塗装も狙っている感じが伝わってきます。それにしても人通りはかなり少ない。『路駐ができて、ちょっとした買い物に』ってコンセプトは理解できますが、ちょっとした買い物ってどこに店があるんでしょうか。

小脇にフランスパンを抱えている人はいなかった

激混みのファミマ

ファミマ激混みです。スタッフの人たち汗かきながら、レジ対応していました。レジ街は飲み物コーナーまで並んでいます。ファミマ付近は人が多い。生活感すごいでてきました。

西欧っぽさが台無しなコンビニスイーツ

喉が渇いていたので、飲み物をサッと買おうとしたら、店舗の一番後ろのショーケースまで一列に並んでいた。レジはふたつ。アルバイトの人は2人。やっと並んで会計のとき、「おしぼりください」言ったら、「おしぼり切れちゃってるんですよー、すみませんー、はいー次の方どうぞー」と言われた。

ファミマ以外の店は空いています。

ワイン屋さん。
ブティック。経営はどうなっているのか。


『去年マリエンバードで』

モノクロにしてみるだけで、ヌーヴォ・ロマン?シュルレアリスム?

モノクロにしてみると、幾何学的なSF映画のようです。アンドロイドいそう。電線が地中にあるから、より無機質な雰囲気があるんですね。ヌーヴォ・ロマン的な存在論的不安…なんかすごく難解な感じです。

『去年マリエンバートで』のあるシーンをみてみましょう。

『去年マリエンバートで』

これが『去年マリエンバートで』1961年公開のフランス・イタリア合作でアラン・ロブ=グリエによる脚本をアラン・レネが監督したモノクロ映画です。
やはり、幾何学的なモノクロームが存在論的不安を演出しています。幕張というところも、そのような不可思議な雰囲気があります。

しかし人がいない

海岸付近まで来てみました。もちろん人が少ない、という意味で静かな生活を送りたいひとは適していると思います。シーズンオフの海水浴場付近のように孤独感はあります。

SF的な

総括

 “常に外国人にたいするコンプレックスを抱えた本質が隠れているコンセプト”そして、この幕張ベイタウンにおいて路駐OKってやつは謎ですね。路駐してサッとかっこよく買い物するイメージなんでしょうけれど、まずそういう店がないんです。公園でマクドナルドを食べているファミリーが多い時点で、そのファミリーが求める生活水準がどんなものか想像したまえよ。結局住んでいるひとたちは駅前まで行ってマクドナルドを買うんですよね。目指している都市のイメージと住んでいる家族の実生活が噛み合ってないのが致命的だと感じました。

ベイエリアでイメージするのはやはりサンフランシスコでしょう。カリフォルニア州北部の大都市。美しい海沿いの街やドラマティックな海岸線。空港だってある、最新のトレンドを生み出す魅惑。幕張の規模とは全然違いますよ。

幕張は悪いところだと思わないですけれど、西欧風だとか常に外国人にたいするコンプレックスを抱えた本質が隠れているコンセプトにはちょっと響かないなあ。

東京にでることを前提に考えてみると、海浜幕張駅から京葉線で新木場駅から有楽町線が妥当だと思います。京葉線で東京駅まで行くとなると、ホームが遠いので乗り換えに不便です。あるいは西船橋駅から地下鉄を利用するほうが利便性はよさそうです。同じ価格帯で、東京への利便性を考慮するなら埼玉県でもいいかな、と。すると、幕張という土地にほんとうに惹かれない限り、住む選択することはないと思います。

でも、住んでいる人じゃないと実際の魅力は語れません。

現代美術館的な


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