黒い袖カバー
相変わらず朝ドラ「虎に翼」を連日楽しみに視聴している。
けさ「あれ?」と思ったのは、主人公が務める裁判所支部の事務員女性が着用していた黒い袖カバーである。事務をしている際に洋服の袖口にインクなどが付着してしまうのを防ぐもの。ああ、そういえばそんなのあったよね。
私は筆圧が強い子供だったために、漢字の練習などをしていると右手小指の外側がベッタリと黒くなってしまった。鬱陶しいのと同時に、「ああ、ちゃんと勉強したなあ」という小さな達成感も感じたものだった。
いまやノートを取らなくなって久しい。いや、それどころか手書きもほとんどやらない現在、あのように手が汚れるということはなくなった。
現代の事務作業はほとんどがキーボード。しかもコピーも発達しているとあっては、「袖が汚れるほど物を書く」などという人はほぼ絶滅危惧種なのではないか。
「あんな袖カバー、もうどこでも売っていないんだろうな」とググってみると、豈図らんや「アームカバー」という名前をいただいてまだまだ盛んに販売されているのだった。さすがに黒だけでなく、パステルカラーだったり模様が入っていたりする発展ぶりはあるのだが。
でも必要としている人がどれだけ居るのかな。
(24/7/31)
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