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「応援に力が入りましたねー」って言われても

9日のボクシングミドル級世界王座統一決定戦・村田諒太vsゴロフキン。私は熱心なボクシングファンではないが、Amazonプライム会員だったので視聴することができた。予想以上に面白く、すっかり堪能したのである。

驚いたのは翌朝のNHKニュースのスポーツコーナー。冒頭でキャスター同士がこんな掛け合いをやっていた。「いやあ、きのうは応援に力が入った方も多かったと思います!」「そうですね!」。テレビ中継がなくAmazon独占配信だったのだから、どれだけのNHKの視聴者が「応援に力が入った!」のだろう。さも当たり前のように「みなさんも、当然観てましたよね!」でいいのか。

ゴロフキンといえば、うちのカミさんですら「すごい選手なんでしょ?」と興味を示すほどのレジェンドボクサー。人気者の村田諒太がそれに挑戦するのだ、放映権料は天文学的なものになったに違いない。

サッカーワールドカップ最終予選の日本戦も、アウェーの試合はテレビ中継がなくDAZNの独占配信になった。こちらも詳しい事情は知らないが、巨額の制作費が捻出できなくなっているテレビ局を後目に、存在感を高めたい配信ビジネスは戦略的判断としてお高いコンテンツを獲りにいったのだろう。かつては当たり前のようにテレビがゲットしてきた放映権をめぐるビジネス。いよいよ日本でも本格的な戦国時代に突入してきたのだな。

「いいコンテンツを楽しむにはカネがかかる」のは、考えてみれば当たり前のこと。日本のテレビ局は発想の転換と将来へ向けた戦略構築が問われている。
(22/4/12)

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