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大晦日には怪獣がやってくる
私が子どもだった昭和40年代、大晦日の午後のテレビに怪獣映画がかかることが多かった。あれはどこのテレビ局だったのだろうか、とにかくその日の朝は新聞のテレビ面を開くのが楽しみで仕方がなかったのである。ゴジラというよりはガメラが多かったような気もするが、そのあたりの記憶はあいまいだ。
番組表を掲載したテレビ雑誌なるものは当時から存在していたはずだが、子どもにはそんなものを買うという発想は持てなかった。そして1週間のラインナップが週末の新聞に並ぶこともなかった。当日の朝に新聞のテレビ欄を見るまで「何が出てくるかわからないブラックボックス」だったのである。
そして家庭用ビデオデッキもなかった。すなわちテレビとは「その時間に画面の前に座っていなければならないもの」。「大人気ドラマ『君の名は』の放送時間は銭湯がガラガラになった」「『東京ラブストリー』の夜は街から女の子が消えた」などの“伝説”には隔世の感がある。
みんなが同じ番組を同時に観て、同じ歌謡曲を聴いていた時代。「あの頃はよかった」とつい考えてしまうのは、つまり古いテレビマンの発想だ。ま、定年したんだから「時代に取り残されてしまった」と焦ることもないのかな(23/12/26)