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一旦思い込むと、もう後戻りは難しい
やっちまった。
会社の仲間と知人で集まる「ちょっと早い忘年会」があった。幹事役からのメールには会場レストランの公式ホームページのURLが貼ってあり、クリックすると麻布十番にある中華料理店を示す。「19:30か、ちょっと遅いスタートだな」と思いながら、電車を乗り継いで麻布十番駅に降り立つ。
初訪問なのでレストランの住所をスマホの地図アプリに入力するが、それでもたどりつかない。そこに出席予定の会社後輩からのLINEが舞い込んだ。「いまどこ?」「近く」「もう外?どこの出口?」「7番出てすぐ」「私はいま、銀座線降りた」。
ん?麻布十番駅を通っているのは都営大江戸線とメトロ南北線だけ、銀座線は走っていないぞ?イヤな予感があり、メールを見直してみると…なんと本文には「赤坂店」とあるではないか。うう、都内に数店舗を構えている店だったのね。「それならURLも麻布十番店ではなく赤坂店のものを貼ってくれー」と思う。
タクシーに飛び乗れば早いだろうが、土地勘のない街なので交差点のどこに立てば赤坂へ行く道なのかはっきりしない。しかも19時過ぎとあって空車はあまり見当たらないようだ。意を決してまた地下鉄駅に潜り込み、南北線で溜池山王駅へ移動、結局15分ほど遅刻してしまった。
一方、赤坂見附駅にいる後輩たちは「7番出口って、お店とは全然違う方向だよねえ」と不思議に思っていたところだったという。
こういうのを「目が滑る」というのだろう。メール本文を見ていながら内容がアタマに入らないまま、URLで見た麻布十番を目指している。そしてひとたび思い込むと、もう疑うことはしないのである。
私は若い頃の取材で被害者の氏名を間違って思い込んだまま放送に載せてしまったことがある。忘年会の15分遅刻などは可愛いものだ。反省はするけど。
(24/11/27)