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大阪万博という“大惨事”

 ほら、やっぱり。

 大阪万博の開幕まできょうで100日。前売り券がさっぱり売れていないという。本日付の朝日新聞によると、前売り券の販売目標は1400万枚だが12月25日段階の販売実績は746万枚。オリンピックと同じようにいざ開幕が近づけばそれなりに盛り上がるだろうことを考えても、これは低調だ。

 さらに同じ朝日新聞の記事によれば、公式WEBにおける個人向け販売は12月18日時点で47万枚。びっくりするほど盛り上がっていない。「(目標の)1400万枚の半分の700万枚は企業・団体で引き受けることになっており」とある。パック旅行用に旅行会社が買う分もあるだろうが、実態としては「企業に買ってもらう」という名の“押し売り”がほとんどなのだ。

 こちらの記事では「万博協会が2社に購入を提案」し「追加購入を決めた」というが、実態としては「売れ行きがさっぱりだから、さらに押しつけた」のではないか。関西電力の購入は25万枚。とてつもない数である。下流にある関連会社にさらに押しつけられるのか。ひでえな。

 関東在住でも最近はテレビCMをちらほら見かけるようになってきたが、これがまたびっくりするほどワクワクさせられない。気力・体力が衰えて出不精になっている還暦である私などはハナからお客さんとして認識していただいていないのだろうが、あのCMで「そうか、行ってみよう」と思う人がどれだけ増えるのか。

 思えば、1970年の万博は日本中をあげてのお祭り騒ぎだった。6歳から7歳だった東京の子どもだった私でさえ主要なパビリオンや展示物のことはドキドキしながらウォッチしていたもの。それに比べていまの東京の小学生の何人が4月に大阪で万博が開かれることを知っているだろうか。

 関西の盛り上がりは少しは違うのかもしれない。それでも、チケットの前売りと同様にマスコミ報道も「嫌々ながらお付き合いでやらされている」という匂いがプンプンしていては、熱狂が広がるべくもない。

 このままでは大惨事になることは必定。国を挙げて“なかったこと”として記憶から消すことになるのだろうが、垂れ流される赤字の多くはまた血税から補填される。こうなるとトップに拝借しているマスコット・ミャクミャクの画像も、あまりの悲惨さに呆れて気絶寸前になっているようにしか見えないぞ。
(25/1/3)

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