パソコンを手渡すと・・・
業務用会社パソコンが新調された。薄くて軽くて、しかも動作はサクサク。「女房とノートパソコンは新しいほうがいい」。いにしえからの言い伝えはまったく正しい。
ひとつだけ困ったことが起きた。
薄型なのでDVDプレーヤーが内蔵されていない。職業上の特性から映像の受け渡しも多いので、これでは仕事にならない。仕方がないので、部署で共用する外付けプレーヤーを複数台購入した。
すると今度は「再生のためのソフトのインストールが必要」「セキュリティ管理のため、勝手にソフトをインストールすることは罷りならん」となった。すったもんだの結果、当該部署から「リモートでインストールしてやるから、時間を決めろ」と言ってきた。
インストールするのは平日の10時から16時の間、30分から1時間かかる、その時間はパソコンをオンラインにして、再起動して、ログインせずに待て、という。
平日の10時を指定。その日は早めに出社してメールを処理したり、管理しているサイトのコメントチェックなどを済ませて、さあ、10時、パソコン権限を手渡した。
手持ち無沙汰だった。何もできることがない。
「会社にいながらパソコンがない」という状態がいかに珍しいシチュエーションであるかを思い知る。仕方なく新聞を丁寧に読んだり、同僚に雑談を持ちかけたり。しかし雑談の“呼吸”というのも微妙なもので、一方がヒマでも相手が忙しい場合は、それは迷惑でしかないのである。
逆に言えば「パソコンを保有して通信環境にいれば、ほとんどの業務はできちゃう」のである。自宅であろうと、箱根の温泉宿であろうと。「“テレワーク”にそれほど罪悪感を持つこともないのかな」と思った次第だ。
ミーティングだってオンラインの時代だ。「会社にいないとできないこと」って何があるのだろう。上司の思いつきへの対応、電話番、同僚との雑談、来訪者への対応・・・その程度なのだ。
「なにをいまさら」と嗤うなかれ。この感覚こそが昭和サラリーマンなのだ。
(22/8/5)
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