この人生に終わりが来るのが惜しくてたまらない
人間ドックの検査結果は異常無し。今のところ健康体。
だけど私は、自分の人生にいつか終わりが来ることをつい考えてしまって、惜しくてたまらない。
なぜって、夫とこんなにも信頼関係を築けて、自分のことを受け入れてもらって、大好きな家族に囲まれて満足いく仕事もできている。
自分にとって最高に幸せな状態を今、味わえている。
30代中盤を迎えて、やっとここまで来れたのに、残り時間はもう40〜50年くらいしかない。きっとあっという間に終わってしまう。
それがもう、惜しくて惜しくてたまらないのだ。
だって私はこの30数年間、ずっと生きづらさを抱えてきたから。
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私は恐らくHSPで、幼い頃から感受性は強かった。
曲がったことは大嫌いで正義感が強く、人類みな仲良く生きていける理想の世界が築けると本気で思っていた。
そんな性質だったから、友人関係の中に理想論を持ち込んだ上、元来のマイペースさも相まって人間関係には苦労した。(つまり、いじめを受けることがあった。)
そして悲しいかな、母親とも共依存関係にあった。
HSPは親にとって、理想的な相談相手であるらしい。よく共感してくれて、一生懸命解決しようと一緒に考えてくれるからだ。
しょっちゅう母親の面倒なママ友関係の話を散々聞かされたもんだから「親も1人の人間だ」なんて達観した価値観を持ち、ロクな反抗期も迎えなかった。
だからだろうか。私は自分の本当の気持ちを隠し、人の顔色ばかり伺い、目の前の人が気持ちよく感じてくれるように会話を運ぶことだけに、全神経を使うようになっていた。
そうやって培った他人の顔色ばかり伺う性質によって、社会人になってからはさらに苦しむことになったのだった。
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夫との出会いは大学時代のサークル仲間としてで、付き合いはじめから熟年カップルのような安心感はあった。
そのまま適齢期を迎えて、お互いに嫌なところはないし一緒にいて楽だし…なんて割と合理的に考えて結婚することになった。
そんな始まりだった割には意外にお互いのことが好きで大切で、何度も喧嘩して離婚の危機を迎えたこともあったけど、何度も何度も話し合って理解しあって、ここまで来た。
不思議と夫婦喧嘩の元を辿ると、夫に対しての不満というより、幼少期のいじめのトラウマや親子関係、仕事での人間関係にその原因はあった。
夫からしてみたら「何でそんなに悩んでるの?」ということに、私は散々苦しんで生きてきたのだった。
それでも一応これまで、母親や友人や仕事関係の人に相談してきたけれど、私の生きづらさが根本から消え去ることはなかった。
だけど、夫は違ったのだ。
私の性質や歪みによって、悩みがどこから来るのかを真っ直ぐ見つめてくれて、私の中で凝り固まった価値観を解きほぐしてくれた。
それはそれは大変な作業で、夫じゃなかったらみんなお手上げだったと思う。
それでも彼は、最後まで私を諦めないでくれた。
HSPやらその他諸々のめんどくさい性質の私が30数年間抱き続けてきた「生きづらさ」を、夫に取り去ってもらったのだ。(夫も私のことは1番の理解者であると感じてくれているみたい。)
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そんな生涯の伴侶、ベターハーフと私は出会えた。
これから輪廻転生があるのかどうかはわからないけれど、また新しい回がやってきたとしても、こんな伴侶に出会えるのだろうか?(転生しても夫を探し出すつもりでいるけど、それが今回のように適齢期で出会えるかどうかもわからない。)
そうやって感じるから、私はこの人生が終わってしまうことが、今からすでに惜しくてたまらない。
できることなら、これからもずっと一緒に人生を楽しんでいきたいんだ。100年も200年も。
…なんて思ってるのに、また性懲りもなく喧嘩しちゃうんだろうけど。きっと。
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