twitterにアップした詩たち 2019/1/1~2019/1/16


68

きみを想うと
夜が流れない
大好きの気持ちが
指先から あふれだす
はじめて会った日の
優しい言葉が
甘く光る LOVEになる時、

心象の羇旅が
空 鉄紺を席巻する

迷走するメソドロジー
響動めきのトポロジー


指紋の螺旋が
撞着する告解となり

響く精神の渓谷に
罅割れる 罅割れる
罅割れる

69

きみが うまれて

ほんとうに 良かった

おめでとう

なんの条件も 取引も

感情の解れも無く

ただ幸せを

何がそれであるか

気付く知恵を

躊躇無く掴む 指を

風雨の日も

幸福を 待ち続ける力を

両手に抱えて

きみが

生きていきますように

それが可能な時代が

きみにありますように


70


もしきみが

この20年で

なんの想像もない言葉や

柔らかな裏切りから

澱のような悪夢を

絶え間無く 溜めていたとして

これからの光源を

失うことにはならない

きっと

きみはまだ

さみしさを知らない

心臓をジューサーに入れ

自分で蓋を押さえ続ける

そんな気持ちを

71

世界を輝かせ
直(なお)く
交わり

圧も
勢いも
増す時
愛が必ず

つまり
高低差
なのだ
その行為/現象

解るかい?
トランスが
必要だ
直ぐに

昇圧された
感情よ
羽撃たけ

自傷の絶縁体を
燃やして

眩暈を
憑依を
源までも

燃やし尽くして

翔べ

72

これ以上 夜露に
寄り添うことは
できない

然り気無い毒のことばが
冷たい滴を宿らせる
寝床の葉となり
それは dependence


落ちて 土に滲んでも
風が暮れる度に
ふたたび傷つけ 冷やし合う
その者たちに
朝が来る恐怖

あらわになる すべて
そのとき 
夜の渇きは
悲しく 光りはじめる

73

時雨ていく
濡れていた
綻んでいく
絡んでいた
崇めていく
咲っていた
浚っていく
拐っていた
触っていく
障っていた
傷んでいく
悼んでいた
膿んでいく
倦んでいた
潤んでいく
倦んでいた
荒んでいく
撓っていた
弛んでいく
凋んでいた
光っていく
起っていた

屈託なく
くたくただった

74

さよならスターフィッシュ
透明な冬の夜に紛れ
韜晦するセルフィッシュ
余韻すら遺さず
会陰もしくは
会厭の奥に消えて ゆく

さよならスターフィッシュ
人でなしの僕には
ひどく響くチェリッシュ
そんな伝説だったよ

別に云いたい事なんてないけど
溶けて光るヒトデ
詩に足ると想っただけ

75

オマージュのイマージュのミラージュのコラージュのポタージュはラグランジュの菩提樹のソバージュ。

バーチャルのパーシャルのソーシャルのフェイシャルのオフィシャルのエッセンシャルのコマーシャルと仰るの?

短針の斬新な乱臣の関心はダンシング三振で半身が安心で慢心が肝心で

杜で盛々と墓守のお守したりヤモリ吃りイモリ籠りつごもりの温もり灯りメメントモリの重り

御守りの御祭りの御前様の御饅頭に御待ちかねのオマージュ

76

海が
曙光を受けて
潤ませる

深海に隠している
淀みや
異形は
金輪際
美しさの
輪郭に過ぎない

おおかぜが来て
深奥を
ゆっくり
勁く
掻き混ぜても
そして
波の摩擦が
高まり
意識が
混濁しても
いつか
引力が愛を
釈く 疾く

未明と黎明の

とくとくと
神に注がれる
潮が
燃えるのを
みた

77

星の褥に 刺青(しせい)した四季が
響む精子を にれがむ 詩

逝いたカレンダー
太陽が夜に融ける
抽かれる赤口が扱かれ

襟足から 蝶
舞い散る塵紙は朱色ではない

嘘と妄想の
もうそこまでの去年(こぞ)に

果てた後 男は
生きていると言えるか
肢体を染める四季が
静かに光るとしても?

78

夜が歌ッてる
あンたに 逢えて好かッた

煤けちまッた掌に
雪は未だ降ッて呉れるか

記憶 許りが嘔吐するな
涙ァ直ぐに凍るし

朝が来ればサ
駐車場の車たちは
魚屋みたいに光るだろ?

摩天楼ッて
冷たい焔かも知れねェな

まだ
夜が歌ッてる
サヨナラ
あンたに逢えて
ほンとに好かッた

79

月のチュッパチャプス
海に月光の棒が
汐の満ち引きみたいに
inとoutする
鼻が海藻を掻き分け
匂いで昨晩の素行がわかる
つるつるとした 暖かい
粘膜とウミウシ
欲求不満のこと
よっきゅんってゆうと
ゆっくり海が割れる

屹立した季節が
冷静な波に正しい
ルミネッセンスの赤潮
濡れている 鱚

80

美しい謬想

血を吐きそう

涙零れそう

いつもそう

心襲う

尖る夢想

愛の葬送

果てゆく扶桑

夭折する僧

裂く前奏

Tohavesecondesoul.

精神の塗装

意味の逃走

言語野の瞑想

熔けるチェーンソー

濡れる観想

破瓜の位相

燃え墜ちるパライソ

Ididn'tthinkso.

みんな みんな うそ

81

今日 神様に 会いました
昔とは違う神様に

そこで僕は
飛行機雲の真下に来ると
アーチ状なのだと 知りました

それから全てのバイアスと
残酷文明の発展と
パワハラみたいな伝統を
アレ しなきゃいけないと
そっと耳打ちされました

人類が神様に届くその前に

飛行機 あっという間に

遠く です

82

言の葉の曼荼羅

いとけない韻を踏んだら

吹き荒ぶ冬のヴァルハラ

絡む蔦 歌になるから

軋む識閾下

痺れる褥の碑

黄色い驟雨の野

静寂(しじま)と禁忌の灯

言の葉の繭を焼べたら

発動せよ曼荼羅

閲する全てのものに

咲き誇れ

幸い

83

風除室で行われるシモニア

諂諛する発光体

奇蹟は鼠径部に栄える

昧すアノニミティと

眩ますアントニム

千切れた左腕が

アスペンに打ち付けられ

歯科矯正した教祖が

脅迫状のような教典を

優しく燃やしている

正しいものと支配者が犯され

敗者の親不知が

火事になる預言が

適中する

84

風で造られた壁の
表面が綻んで
光るさんざしが
限り無く流れ

己を疑わない
老夫婦と義理の姉が
それらを掻き集めて
値札を付ける

美しいものをひさぐには
美しい魂がなくては

明くる日彼等は弾けて
無数のさんざしになって
流れた

たくさん踏まれたが
判りはしない
最早
誰の断片であったか

85

美しい臺が
無軌道の鼓動に、
生まれ出でる宇宙に
未だ今も 奉ろって
雨季を呼び 詩となる

芽が生える 魔性の地
浮かんでは泡沫の
もう二度と見られない
海の悲鳴 裏返り
転び出る 真の名
嘘だけが埋まってる
燃え盛り 廻る 蓮

86

Utsukushii Utena ga
Mukidou no Kodou ni
Umare ideru Uchuu ni
Mada imamo Matsurotte
Uki wo yobi Uta to naru
Me ga haeru Mashou no chi
Ukande ha Utakata no
Mou nidoto Mirarenai
Umi no himei uragaeri
Marobideru Makoto no Na
Uso dake ga Umatteru
Moesakari Mawaru Lotus 

87

やさしい おもいでを
もうもどらない かなしさごと
そっと だきしめる

こわれないように
こわさないように
そうっと そうっと

だかれるように
だきしめる

88

ほんとうのさみしさは
じぶんのことしか 
かんがえられないこと
こころのなかに
じぶんしか いないこと

だれかのことを
しずかにかんがえるとき
あなたは じぶんとだれかの
ふたりをだきしめる
ふたりぶんのぬくみを
そっと だきしめる

かんがえる あいてもない
そんなときは
ことばをそっと だきしめる
たいせつな ししゅうの
おもいでの たいおんを
そっと だきしめる

おんがくでも え でも
おしばい でも えいがでも
しゃしん でも なんでも

それすらもない そんなときは
うつくしい おもいでを
だきしめる

89

はだ色のように
染みているのであって欲しい

せめて小さい生き物が
報われるため

遺された紅い花が
雨に
消えないのは

90

精神に言葉に体温に友愛に抒情に鳥の羽撃たきに犬の遠吠えに交尾する猫の尾に交差する天体に過ぎていく時間に赤ん坊の寝返りに何気ない笑顔に送るべきさよならにたゆみない音楽に恋をする少女に走ってゆく自動車にゆっくりと登る自転車に雲を生む飛行機に心震える絵画に奥深い叡知にそうした光が

91

小さい生き物が
轢かれて
次の日 片付けられていた
その生き物の痕跡が
アスファルト
に 紅い

そうして染みになった
無数の無念があるならば
却って美しさが
世界に沁みることも あるだろうか

路上に海面に天空に稜線に森林に湖畔に河辺に舞台に戦地に新築に城跡に神木に渓谷に洞窟に黎明に線路に

92

ミシェルはひとり 浴槽のなか
喪失している 

あんなに輝いた髪も
大きく切り落とし
滑らかな項が 湯冷めしている

生まれた家に無かった 慣わし
ただ 肌から吐き出され
排水溝に吸われる 夢

明日も 湯船に
髪は伸びてゆく

繰返し 繰返し
失うための
かなしい
呼吸


93

夜が歩く
大股で歩く
明日に歩く
地球を回る
あるとき夜は
歩くの飽きる
どっかり座る
白夜が起こる
その国 怒る
オーロラ飛ばし
朝にメールし
夜さんまたも
怠けてますよ
朝さんひとつ
叱ってやって
朝さん寝てる
オーロラ、布団と
勘違いして
皆呆れる
星が流れる
大きい者は
皆 暢気で美しい

94

見えない瘡蓋を剥がして食べる

瘡蓋 なくなると

見えない傷口を剥がして食べる

傷口 なくなると

見えない骨を剥がして食べる

骨 なくなると

見えない骨髄を剥がして食べる

骨髄 なくなると

見えない遺伝を剥がして食べる

遺伝 なくなると

見えない神さま 剥がして食べる

そうしてやっと 血が流れだす

明日にはまた 瘡蓋になる

95

並ぶ 並ぶ 
なんの列かも判らず

並ぶ 並ぶ
勘と観察を頼りに

並ぶ 並ぶ
最後は死って知ってる

並ぶ 並ぶ
どのように跳ぶのか

並ぶ 並ぶ
前の人を真似

並ぶ 並ぶ
少しずつ絞り出され

並ぶ 並ぶ
せっかちに背中押され

並ぶ 並ぶ
先頭が迫った時

並ぶ 並ぶ
跳ぶか墜ちるか

泣きながら決めろ

96

大きく息を吸い
発声
子音の在るもの
母音のみのもの
高いもの
低いもの
長いもの
短いもの

集まり意味になる

夜 それらは
一斉に緘黙し
また別のパートが
顕れる

怒鳴り声
他者を遮る声
二声で睦み合う声

――――果たして誰の喉から?

静寂を恐れるように
一音の私が
吃る
阿も吽も 見えぬ侭

97

アンフォルメルの油彩
下腹部のアドレッセンス
99人のリベルタンが
没薬と乳香と黄金を
焚刑に処す その時

彗星が 夜を梳く
空に散る水仙 そのスメル

天体のヴァリアシオン
アモルファスなリビドー
濡れてるブラックバード
ナビの媚態が

聖なるものの中にある
勃起したそれに
今まさに 墜ちる

98

国道を
俺と風だけが
街に向かう

俺は誰かの
そして 俺の役に立ちたい

無為に過ごした いのちの
清算をすまさねば

地面から生えた喉と
その暖かい ぬめりや

名前を持つ人間の
光る水を狩る誘惑に
耳を塞ぎながら

俺は誰かの
誇りを愛撫したい

朝の国道を
その気持ちが弾く
静かに
ひとり

99

ぼくたちは思い出を
つくるため生きている

いつかくるさよならの
その前に

とき色の
線路を行く始発に
朝陽が運ばれてゆく

その
過ぎていく光を
ぼくは君と見ている

思い出とそうでないものの
境界をさ迷いながら

100


あらたかな

懈怠さえ

未だ見えぬ

使途を喚ぶ

掌が

音をたて

眼の裏の

デルタだけ

滔々 と

謳いだす

#詩

いつか詩集を出したいと思っています。その資金に充てさせていただきますので、よろしければサポートをお願いいたします。