好きなことだけでいいです

1月30日
深夜2時過ぎ、私は近所のコンビニでコピー機をいじっていた。

明日提出締切の公募用原稿がようやく出来上がり、郵送のために急いでファイルを印刷した次第だ。住宅街のど真ん中にある深夜のコンビニは、店内BGMの音だけが濃く聞こえる不思議な空間だった。
全ページを印刷し終え、店外に出る。びっくりするほど寒いし、街灯しか点っていないため夜空の色は深い黒色だった。はぁ、と虚空に息を吐けば、白じろとした息だ。
普段、深夜に家を出ることなどそうそうないので、そんな当たり前の現象がひどく新鮮に思えた。

眠りから目覚めた時には、夜が明けていた。
いや、正確に言えば明けきっていた。
目覚ましは午前11時を指している。
やべえ、今日は原稿を郵便局に持って行ったあと、確定申告について税務署の人に聞きにいくつもりだったのに。
急いで身支度をして、確定申告相談会会場へ。

税理士さんが無料で確定申告の相談に乗ってくれて、あわよくばその場で申告書を作成・提出できるらしい。
今回、初めての確定申告で、無知もいいところの私を助けてくれる絶好の機会。
逃すまいと午後の部開始数分前からスタンバイをした。

早目に行った甲斐があり、申告書はものの数十分で完成した。これでひと安心。
私は区の税務署を出て、次の目的地へと向かった。

夕方から新宿の劇場でライブスタッフ2公演。今日は音響担当だ。
緊張はするが、仲の良い同期との仕事だし、最高に面白いネタも観れる、大好きなお仕事だ。毎日、お笑いライブのスタッフ業をしてから、自宅で文章を書ける生活が出来たら、もう思い残すことはないと思うほど。今日の演者さんも、もれなく全員面白くて、ずっと笑いながら音響を操った。

ライブ終わりで、同期たちとごはんを食べに行った。
皆、他の仕事やら、来年から就職やらで、これからなかなか会える機会がないかもしれないし、こうやってごはんに行けるタイミングも多くないかもしれない。そう考えると、今日のような日は何でもないようで特別なんだなぁ……。
日付が変わる数分前、皆と別れメトロにひとり揺られる22歳最終日の私は、らしくもないほどおセンチな気分になった。

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