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大丈夫
3歳の頃、両親と父方の祖母と4人で四国へ旅行したことがあるという。
物心つくかつかないかの時期だったため、そこで何をしたかの記憶は全くない。
両親の話によると、私はその旅の間、ずっと祖母の手を引いていたそうだ。
まだ己1人で歩くのもおぼつかない頃にも関わらず、私は「おばあちゃん、大丈夫だからね。」と祖母に話しながら。
この頃、母のお腹の中に妹がいたため、まもなく姉になるという意識が高まっており、誰に対してもお姉さんぶりたかったんだろうね、と母は当時を振り返って笑う。
なるほど、納得がいく理由だ。しかし何が『大丈夫』なのだろう。仮にも過去の自分の発言なのにその真意は掴めなかった。
それから20年ほど時が経ち、あの時発した『大丈夫』の意味が少しわかった気がする。
『おばあちゃん、大丈夫だからね。どんなに足が悪くなっても、私が手を繋いで、ゆっくり一緒に歩いてあげるから。置いて行きなど絶対しないんだからね。』
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