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習慣を変えれば人生が変わる ~小さな一歩から始める人生改革~
「今の人生を変えたい」
そう思いながらも、具体的な方法がわからない。
そんな思いを抱えていませんか?
実は、人生の大きな変化は私たちの日々の小さな習慣から始まります。
本書の著者マーク・レクラウは「あなたの人生をつくり出しているのはあなた自身だ」と断言しています。
それは意識的かもしれないし、無意識的かもしれません。
しかし重要なのは、それが運命や偶然ではないということです。
私たちの多くは、人生は偶然の成り行きで展開するものだと思い込んでいます。
そして何らかの奇跡が起こるのを待ちわびながら、今までどおりのことをし続けているのです。
しかし、本当にそれでいいのでしょうか?
この記事では、世界の偉人たちの知恵と最新の研究結果を組み合わせながら、誰でも実践できる具体的な方法をご紹介します。
第1章:人生の主導権を握るために
◆運命論から自己決定論へ
イギリスの著名な心理学者リチャード・ワイズマン博士は「運」について興味深い研究結果を発表しています。
その結論は、「運というものに科学的根拠はない」というものでした。
唯一の違いは、自分は幸運だと思うか不運だと思うか。
つまり、自分にいいことが起こると予想するか、悪いことが起こると予想するかの違いだけなのです。
このことは、私たちの人生に重要な示唆を与えてくれます。
「運が悪い」と思い込んでいる限り、私たちは受け身の姿勢から抜け出すことができません。
しかし、「自分次第で状況は変えられる」と考え方を転換することで、新しい可能性が開けてくるのです。
◆小さな習慣の力
今から約2500年前、古代ギリシャの哲学者アリストテレスは「習慣が変われば、人生が変わる」と言いました。
この言葉は、現代においても深い真実を持っています。
たとえば、1カ月で3つの習慣を確立するとしたらどうでしょうか。
それらの習慣は人生を大きく好転させる原動力となり、足かせになっていた悪い習慣と入れ替わるはずです。
【今日からできること】
朝30分早く起きる
就寝前に感謝日記をつける
散歩を日課にする
◆失敗を恐れない姿勢
子どものころを思い出してください。
私たちはどうやって歩き方を学んだでしょうか。
何度も間違いを犯すことによって、歩き方を学んだはずです。
倒れては起き上がることを何度も繰り返しましたが、それはむしろ楽しいことでした。
ところが一定の年齢に達したとき、失敗の楽しさが失われてしまいました。
突然、私たちは失敗したら恥ずかしいと思うようになり、失敗を避けたがるようになったのです。
ブラジルの作家パウロ・コエーリョは「夢の実現を不可能にしている要因は1つしかない。
それは失敗を恐れることだ」と指摘しています。
第2章:行動を妨げる要因との向き合い方
◆完璧主義の罠
ハーバード大学の心理学者タル・ベン・シャハー博士は、完璧主義ではなく「最善主義」を提唱しています。
完璧主義が一時的な満足をもたらすのに対し、最善主義はそれよりはるかに高い永続的な満足をもたらすというのです。
完璧主義者にとって、物事はいつも全か無かです。
たとえば:
完璧な書類を提出するか、何も提出しないか
完璧な本を書くか、何も書かないか
このように完璧主義は非常に好ましくない態度であり、自滅を招くおそれすらあります。
作家のアン・ラモットが指摘するように、「完璧主義者は創造性を抑圧し、卑屈で不満の多い生涯を送るはめになる」のです。
◆先延ばし習慣の克服
先延ばしとは、やるべきことを避けることです。
実際に何もしていないのに魔法のように事態が好転すると期待して、大切な用事を延期することです。
しかし、事態はひとりでに好転することはありません。
たいていの場合、先延ばしの原因は、心の中で抱いている何らかの恐怖です。
たとえば:
断られることへの恐怖
失敗することへの恐怖
不完全な結果を出すことへの恐怖
心理学者のウェイン・ダイアーは「今すぐにしよう。
未来は誰にも約束されていないのだから」と言っています。
◆自己言い訳との決別
「やってみる」という表現を使うのをやめましょう。
この表現は失敗を暗示しているからです。
代わりに、明確な意思を持って「やる」と決めることが重要です。
【チェックリスト:自己言い訳の診断】
「時間がない」と言い訳している
「準備が足りない」と言い訳している
「もう少し経験を積んでから」と言い訳している
「誰かの助けが必要」と言い訳している
「今は適切なタイミングではない」と言い訳している
第3章:具体的な行動改善のステップ
◆目標設定の重要性
「夢に日付をつければ目標になる」という言葉があります。
変化のプロセスを開始する前に、自分の目標について明確にしなければなりません。
具体的なステップは以下の通りです:
目標を達成可能な小さいステップに分割する
目標を達成するためのすべてのステップを列挙する
それぞれのステップと目標に日付をつける
また、以下の分野でバランスの取れた目標設定を心がけましょう:
仕事
精神
健康
家族
社交
経済
◆小さな成功体験の積み重ね
自制心と意志力は訓練次第で身につけることができます。
もし自制心と意志力が足りないと感じるなら、達成可能な小さい目標を設定することから始めればいいのです。
【今日からできること】
1日25回、目標を書きとめる
散歩の習慣をつける(ヒポクラテスは「人間にとって最高の薬は散歩である」と言っています)
1日30分の読書時間を確保する
◆日々の振り返りの習慣化
就寝前に次の質問に答えて、それを日記に書く習慣をつけましょう:
今日、私は何に感謝しているか?(3つか5つ)
今日、私に幸せをもたらした3つのことは何か?
今日、私がとくにうまくできた3つのことは何か?
今日をさらによくするにはどうすればよかったか?
第4章:メンタル面の強化
◆自己理解の深め方
以下の質問に正直に答えてみましょう:
自分はどういう人物で、なぜここに存在しているのか?
自分が人生で本当にしたいことは何か?
何をしているときに自分は生き生きしているか?
自分の人生で最も楽しかったことは何か?
時間の経過を忘れるほどワクワクするのは、自分が何をしているときか?
分の強みは何か?
必ず成功するとわかっていたら、自分は何をするか?
ずっと遊んで暮らせるだけのお金があれば、自分は何をするか?
◆ポジティブな思考への転換
ブロニー・ウェアによる研究では、死に直面している人たちの最大の後悔の1つは、「家族との時間を犠牲にして職場で多くの時間を過ごしすぎたこと」でした。
これは、私たちに重要な示唆を与えてくれます。
本当に大切なものは何か、今一度考え直してみる必要があるのです。
◆エネルギー管理の方法
ふだんの生活の中で、自分のエネルギーを奪っている人や物、活動を明らかにしましょう。
ベンジャミン・フランクリンが言うように、「エネルギーと粘り強さがあれば、どんな困難でも克服することができる」のです。
【エネルギー診断チェックリスト】
十分な睡眠を取れているか
栄養バランスの取れた食事をしているか
定期的な運動をしているか
休息時間を確保できているか
心地よい人間関係を保てているか
第5章:持続可能な習慣づくり
◆家族や周囲との関係性
「あなたはふだん一緒に過ごしている5人の人物を平均した存在だ」という自己啓発の大家ジム・ローンの指摘は、重要な示唆を含んでいます。
最高のものを引き出し、モチベーションを高め、自分を信じてくれる人たちと一緒に過ごすことが大切です。
心の姿勢は伝染することを肝に銘じる必要があります。
◆健康管理の重要性
皮肉なことに、ほとんどの人が「健康は人生で最も大切だ」と言いながら、実際の行動が伴っていません。
バランスのとれた食生活、定期的な運動、綿密な体調管理を心がけましょう。
体の具合が悪ければ、心の具合も悪くなるからです。
◆行動継続のコツ
行動を起こさないなら:
結果が出ない
フィードバックが得られない
学習できない
改善できない
潜在能力を存分に活用することができない
史上最高の発明家トーマス・エジソンは「人間の最大の弱点は、途中であきらめることだ。
成功するための最も確実な方法は、つねにあともう少しがんばることである」と言っています。
◆◆おわりに◆◆
「誰もが世の中を変えようとするが、自分を変えようとする人はいない」とトルストイは言いました。
しかし、本当の変化は自分自身から始まるのです。
今この瞬間から、新しい習慣を築き始めましょう。
そして、その小さな一歩が、やがて大きな変化をもたらすことを信じてください。
過去にしがみつくのをやめ、新しい可能性に心を開きましょう。
「こうすればよかった」「こうすることもできた」と悔やむのではなく、今この瞬間から行動を起こすのです。
幸せとは目的地に着くことではなく、そのプロセスを楽しむことです。
幸せは心の状態であって、外的な状態ではありません。
今日から、あなたの新しい人生が始まります。
【実践のためのアクションプラン】
今日から始める3つの新しい習慣を書き出す
それぞれの習慣に具体的な実施時間を設定する
1週間後の小さな目標を設定する
1カ月後の中期目標を設定する
3カ月後の大きな目標を設定する
毎日の進捗を記録する
週1回の振り返りを行う
変化は、たった一つの小さな習慣から始まります。
その第一歩を、今日、ここから踏み出しましょう。