やっていける・いけないで考えるのやめませんか?
有益な情報を求めてSNSを始めたはずが、〇〇しないと・知らないとやっていけない系の文言にばかり心が引っかかるようになり、そしてだんだんと心が蝕まれるようになりました。特にうまくいっていないときに、こういうのを見るのはツライです。「できる・できない」「向いている・向いていない」の二択しかないバイナリなマインドセットに陥ると、全力になることもできなくなるし、心が弱る一方です。世の中がそういう話にあふれていたとしても、時にはこの考え方のスパイラルから無理やりにでも抜け出さないといけないんだと思います。
〇〇しないとやっていけないコンテンツ
〇〇しないと・知らないとやっていけない系発言は、有益と見せかけて誰も得しない情報だと思うようになりました。恐怖心を煽る謳い文句のもとに世界は回っています。例えば理学部は就職無理学部と言われます。「理学部に行ったら就職できない」だって〇〇しないとやっていけないコンテンツのひとつです。他にも我々は
勉強しないといい大人になれない
いい会社に入らないとお金を稼げない
結婚しないと幸せになれない
とずっと言われ続けてきています。自戒を込めて、ネットで言われるような「有益な情報」の多くも同じようなもんです。
今の時代、個人で発信できないとやっていけない
英語できないとグローバル社会でやっていけない
〇〇円稼がないとフリーランスじゃやっていけない
○○ぐらいのスキルがないとプロとしては無理
話を戻すと、私も理学部出身です。就職できなかったか?人生お先真っ暗か?確かに五大商社には行ってないし、そもそも安定を求めた選択肢をあんまりとっていません。でも自分の頭で考える基礎を築き、死ぬほど頑張ることを知り、日本に50人もいない今の仕事ができているのは理学部にいたからです。理学部を選んで後悔したことは一度もなく、「やっていけない」に惑わされなくて本当によかったと思っています。
バイナリコンテンツが生む格差
よく働く(成功している)働きアリ、普通のアリ、サボっているアリの割合は30%、50%、20%と言います。バイナリコンテンツの悪いところは既に真面目に頑張っている50%の心を蝕んで、情報を本当に知るべき下位20%には響かないことです。結果、真面目で有能なポテンシャルを秘めている人が去り、上位30%と下位20%が残ります。短期的には上位30%がより成功し、下位20%が搾取されます。なんか聞いたことありませんか?そう、格差です。格差は長期的には業界自体を衰退させます。
真面目な人はバイナリコンテンツを見てはいけない
真面目にやってる50%にとってはバイナリコンテンツは毒にしかなりません。何事も結果が出るまでに時間がかかります。もう既に可能な限り頑張っているのに結果が出ないと、できる・できない、向いてる・向いてないに考え方がシフトし、「向いてない」と判断してやめていってしまうのです。
毎日タイムラインを眺めていると気づかないうちに、フリーランス試してみて、できなかったら・向いてなかったら諦めようという方向に少しずつ感覚がシフトしていっていることに気づきました。ハッとしたきっかけはこの動画での一言です。
デザインであれ自分でビジネスを持つことであれ、スキルを持っていたらいつだって戻ってこれるのがフリーランスだ。たくさんの人は「安定した仕事」の概念を持っていて、自分の仕事がなくなることなんてないと思って毎日出社する。家族や子どもがいる人はもっと決断が難しくなるだろう。でも僕はだからこそ、やりたいと思ってるなら「待つな」と言いたい。同級生の映像作家の多くは「何年か会社で現場経験を積んで...」と言う。そして時間が経てば経つほど出てこれなくなる。今やめられなくて、20年後、妻も子どももいる状態でどうやって辞めるんだ?何てったって最初の数年はほとんどお金を稼げないだろうからね。僕は初年度の稼ぎはぜんぶ合わせて8000ドル(80万円)ぐらいだった。めちゃくちゃ嬉しかった。オーマイガー!って感じだよ。同時に今始めるのが遅すぎることもない。それでも今やらなきゃ、やりながら勉強するしかないよ。
適切な時間と努力ができればできないわけない
違う、私がやりたいのは「向いてるか試してみる」とかそんなことじゃないんだ。完全フリーランスの人でも月10万円に満たなかった時があるし、生活切り詰めまくって実家だったらそれでも全然大丈夫だったし、それでも自分の力で稼げることはめちゃくちゃ嬉しいんだ。それでいいんだ、正しい軌道に乗っている、やっていけないなんてこと絶対にない。もっとこういう話を聞きたい。やっていける・いけないが選択肢ですらないことを毎日忘れないようにいたい。それでこそ、すべてをかけて頑張れるというもんじゃないですか。
もちろん、無計画に飛び込むのは反対です。でも同時に準備が完全に整うなんてこともあり得ません。どこかで飛び降りないといけない、バランスの話です。どちらにしても、誰かがやっているということは再現可能だということです。必要なのは適切な時間と努力、そして貯蓄と飛び込む勇気のバランスです。ゼロサムゲームでない限り、時間と努力を以てすれば、上達できないことの方が不可能です。
自分だけの目的関数
そもそもやっていける・やっていけないの境目は何でしょうか?生きていければいいのであれば、実家に戻って初年度80万円フリーランスで稼ぐことは大成功もいいところです。「独学でのスキルには限界がある。甘いよ」は、一回フリーランスになったら死ぬまでフリーランスだと思っている前提でしか成り立ちません。失敗の責任が取れないということは、成功を保証してくれないことと同義です。人の「やっていけない」を絶対に信じてはいけません。その証拠に、やっていけないと脅され続けてもあなたは今まだここに立っています。自分の決めた身の丈に合った目標以外はノイズだと思って走ってこそどこかにたどり着けます。