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ドラえもん「のび太の宇宙小戦争2021」感想文

今日、家族4人で「のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)2021」を観に行ってきました!
結果から言うと、めっちゃ当たり。子供(4歳)も理解できなかっただろうけど寝落ちせずに見てました。
日本誕生リメイクや大魔境リメイクに匹敵するくらい、あるいは新ドラで最高くらいの出来だと思いましたので、元々ドラえもんが好きな方は迷いなく見に行っていい作品です。
もうこれは感想書くしかないと思いました。
noteに登録したはいいけどずっと寝かせておいて、やっと書く初の記事がこれって、自分らしい……。

私はかなりのドラ映画ファンです。ずっと前、大学生だった私は国試の勉強中に旧ドラ映画のDVDボックスを延々流し続けながら参考書や問題集を読んでました。あまりに何回も見すぎて、DVDが傷んで再生できなくなりやしないかと不安になったものです。
わりとネタバレしちゃうので気になる方は読まないのがいいかと思うんですが、ネタバレのほとんどは「リメイク前を見てる人であれば気にするほどでもない」範囲です。
あとこの記事を書く段階では、他の感想や情報をほぼ調べてないです。パンフも買ったけど読んでない状態。何も見ずに感想書く方が面白いんじゃないかと思って。

予期せずすごいタイミングで公開


まさか国際情勢がこんなことになったタイミングで公開されるとは……なテーマですが、F先生やアニメスタッフが未来を予知していたというより、元々この作品のモデルが(世界史まったくわからんけど)ソ連あたりだろうから似てるのは当たり前とも言えるのかなって。
あまり現実と絡めて語るのもナンセンスだと思うし、私はそういう考察はしないけどね。
作中で情け容赦ない諜報組織として登場する「ピシア」は「PCIA」と表記されます。たぶん「惑星ピリカのCIA的な組織」というイメージでのネーミングですね。

リメイクでの変更点


いくつか気づいた変更点を書いていきます。

・パピの一人称が「ぼく」から「わたし」になり、等身が高くなった
パピは旧作でスモールライトを使ったのび太たちよりかなり背が低く描かれていましたが、年齢が10歳でのび太たちとは同い年くらいという設定のため、あまり幼く見えないように変更されたのかもしれません。
実は彼はスペックを見ると「出木杉より凄そうなキャラ」なので、大人びた感じに変えたのは納得でした。

左が映画館でもらえる特典冊子、右は書店で買ったコンビニマンガみたいな感じの本。
左はパピくんのデザイン変更が反映されてます。

・パピの姉が新キャラとして登場
ピイナというパピのお姉さんが登場しました。詳しいことは映画を見てのお楽しみ。

・クジラ型宇宙船の1回目の撃退は、トラックとの衝突
ジャイアンがPCIAの宇宙船にバカでかい岩を投げるの、序盤なのにちょっとすごすぎなので今回は道を走ってたトラックに衝突して一部破損になってました。

・しずかちゃんの代わりにパピが拘束されない
途中で人質になったしずかちゃんを解放するのを条件にパピがPCIAに捕まるという展開がなくなり、パピは捕まる寸前でのび太たちに助けられて一同&ロコロコと一緒にロケットでピリカに向かいます。(ちなみにパピの姉が既にピリカで人質になっている)
元々パピとはあまり心を開いた会話が多くなかったため、ロケットの会話シーンなどが追加されてパピのキャラを理解しやすくなってました。

・パピが地球で猫を操るために謎の波動を出さない
「あの超能力みたいなの何やねん」と思ってたので、翻訳ゼリーで猫と話す演出に変わっててほっとした。

・チーターローションを使う展開はなし
チーターローションを使う前、「(かたづけラッカーが)4時間しか効かないなんて!」「永久に効く薬がどこにある!」と言い争うシーンが「スモールライトの効き目が一定時間で切れる」ことの伏線になっているのは旧作の見どころのひとつですが、今回はこの部分はなくなってます。でも代わりの伏線が作品前半に追加されていたので、気をつけていればわかるはず。

・自由同盟(レジスタンス)の人が、のび太たちを逃がしてくれる
旧作だと地下のアジトに兵士が突入してきたとき、のび太たちと自由同盟の人たちは全員捕まるのですが、さすがにあっさりすぎるからか隠し通路から地下水路に逃がしてくれました。

・PCIAのしつこさがすごい
旧作でも「小惑星が落下したのに、落下地点の地震計に記録されていない」などの妥協を許さない執拗さに「PCIA怖い」と思った少女時代の私ですが、今回はもっとパワーアップしてます。
しかしドラコルルが最後の最後でちょっといいキャラ風になったの謎だった。前は脱出用ボートで焦って逃げようとしてたのに。

・ドラコルルの皮肉たっぷりのセリフ、一部カット
「君が一度でも約束を守ったことがあるか?」というパピの問いに「言われてみればその通り」と言ったり、「人間は信用できん!(だから無人戦闘艇を使う)」というギルモアの言葉を聞いた後、「自分の人気がないのをよーくご存知だ」とつぶやくセリフ、子供ながらに「今度の悪役は一味違う」と思っていました。
子供の頃は大人っぽいセリフにしびれるものですが、今回はカットされました。とほほ。
旧作もリメイクも、ドラコルルの方がギルモアより圧倒的に頭が回りそうで、パピの処刑に成功すれば絶対ドラコルルがギルモアを陥れるターンに入るはず。

・スネ夫としずかのラジコン戦車が撃墜されるシーン、アンテナを攻撃されるのではなく機械を麻痺させる兵器が使われる
「ナントカパルスミサイル」とか言ってたっけ……? ミリタリー関係詳しくないのだけど、操縦がきかなくなるみたい。さすがに弱点のアンテナ丸出しは、いくら小学生でもあのスネ夫がそんな詰めの甘い作り方をするわけないですもんね。

・クライマックスで元の大きさに戻ったみんなが戦う戦車や戦闘機は有人じゃなく無人機ということに
人が乗ってるやつを踏み潰したらまずいので、無人になったようです。
兵士は戴冠式の場所付近で市民の暴動対策に駆り出されてたんでしょうか。
余談ですが旧ドラではわりとノリで人を殺していて、宇宙開拓史では人が乗った小型宇宙船を巨大化させた弾丸で撃ち抜いたり、大魔境ではコス博士が乗った船を巨神像がぶん投げて地表に衝突した船は大爆発、などのシーンがあったりしました。

今回の見どころセレクション


独断で今回のリメイク見どころをまとめます。

・地球人とパピのギャップ
前半では「宇宙戦争の映画に無邪気に憧れる、平和な環境で生きるのび太たち」と「祖国で軍がクーデターを起こし、現在進行形でやばいことになってるパピ」との対比が強調されています。
あれは頭のいいパピくんなら当然感じる隔たりだっただろうから、ストーリーに説得力を与えてたと思います。

・しずかちゃんの出撃シーン
旧作でも一番好きなシーンである、しずかちゃんがスネ夫を置いて出撃するシーン。「このまま独裁者に負けちゃうなんて、あんまりみじめじゃない! やれることをやるしかないわ」は、今も昔もマイベストしずかちゃんです。

・元の大きさに戻ったみんなが戦うシーン
旧作ではドラえもんがキングコングのまねをするオマージュシーンがあったりしました。
ていうか今日初めて気づいたんですけど、しずかちゃんとスネ夫が海の方から上陸するのはゴジラのオマージュだったんですね! 特撮全般に興味が薄かったので、30年以上気づかずに見てました。
記憶によると今回キングコングのシーンはなくて、代わりに進撃の巨人のオマージュシーンが追加されてました。キングコングの元ネタがわかる子供はあまりいないもんね。

・敵戦車を利用した攻撃
元の大きさに戻ったスネ夫、敵の戦車を持ち上げれば戦車についてる大砲(?)で砲撃できる(戦車が無人であることを利用した技っぽい)ことに気づいて、のび太たちも真似します。
このシーンは旧作の映画にはない演出ですが、実は原作マンガでだけ登場していたので、マンガ版読者は歓喜したはず。マンガ版ではわりとシュールなシーンだった記憶があります。
F全集で確認したいけど実家に置いてあるので、この件が私の記憶違いだったらごめん……。

・パピくんの大統領演説シーン
いやもう感動的なのですが、驚くことに、セリフの最後らへんは旧作の裁判シーンほぼそのままなんです。旧作の時点でそのあたりの脚本はすごい完成度だったことを証明してくれました。
「いつか市民の怒りの炎がピリカの空に燃え上がり、独裁者を焼き尽くすだろう」を本来優しい性格であるパピに言わせるというのがとてもいい。
F先生が言及したことがあるのかは知らないけど、「ピリカ」ってたぶんアイヌ語の「美しい」からつけた名前なんだろうな。

・のび太の部屋、ふすまに戻っている
新ドラになってから、のび太の部屋って出入り口がドアになってちょっと窮屈な雰囲気になってたんですが、「のび太の宝島」の少し前あたりでアニメが新体制になり、間取りが再び変更されたんですよね。私の持ってる資料によると。そのときにふすまに戻ったようで。
映画版はここ数作品、あまり好みじゃなさそうで遠ざかっていたので、久しぶりに見たら「ふすまの部屋に戻ってるじゃないか!」と嬉しくなりました。
(その後、宝島より後に作られた月面探査記を見てみたらのび太の部屋はドアだったので、映画は作品ごとに間取りが変わるのかもしれません)
どうでもいいけどしずかちゃんのお母さんが前よりふっくらとした気がしないでもない。(しずかちゃんママ、失礼なこと言ってごめん)

新ドラをいまだに受け付けない人が多い問題


新ドラ、いまだに苦手って人を見るんですよね。もったいない。声優さんの関係なのかな。私は水田わさびさんの声、かわいくて大好きだけど。
絵柄は旧ドラよりも原作のテイストを多く取り入れているし、特に旧作リメイクの映画は「どうせ元作品を超えないんでしょ」という先入観を打ち壊してくれる出来のものもいくつかあります。
元作品でちょっと強引だった展開、描写不足の部分、辻褄が合わない部分をうまいことアレンジして、完成度を高めてる感じ。
もしドラえもんが好きなら、食わず嫌いしないでぜひ見て!と思います。今アマプラでも見られるみたいなんで。

リメイク作品の中では
傑作:日本誕生、大魔境、宇宙小戦争
良作:宇宙開拓史、鉄人兵団
ハズレ:魔界大冒険
みたいな感想を持ってます。
のび太の恐竜は……実はリメイク版をあまりしっかり見てないので分類できなかった。旧作の方がよく思えたけど、懐古と言われちゃうかも。

新ドラオリジナル作品のお気に入りは南極カチコチ大冒険と、ひみつ道具博物館(ミュージアム)です。

また後ほど書きたいことを思い出したら追記するかもしれませんが、ひとまずこのへんで。
ドラえもん映画の考察はいくつかネタを持ってるので、またまとめるつもりです。
感想文を書いたことだし、買ってきたパンフも読むぞ〜。
ではまた!

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