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未来学のすゝめ -厄年を信じぬ者にイノベーションは起こせない-
皆様は占いや運勢を信じますか?
私は自他共に認める合理主義者ですが、一部の占いに関してはその信ぴょう性を認めています。
占いの信ぴょう性の有無を決める基準は、その占いが「未来学」の原則原理に基づいているかどうかです。
(Image credit: Ian Kennedy)
未来予測手法の一つPace Layerを説明するStewart Brand氏
Wikipediaによると、未来学とは、"歴史上の状況を踏まえて未来での物事がどう変わっていくかを詳細に調査・推論する学問分野"です。
つまり、史実に基づいた統計やシステムモデルにしたがって、未来を推論しているかが、占いの信ぴょう性を決定づけるのです。
厄年と未来学
例えば厄年という概念。
これは、未来学の原則原理に則っていると言えるでしょう。
(Image credit: 縁起物百科事典)
皆様ご存知の通り、男性が最初に迎える厄年は25歳です。
大学卒業後新卒の22歳で働きはじめ、3年目を迎えると責任のある仕事を任されるようになるでしょう。
難しい仕事が増えれば、それだけ失敗する確率も高まります。
「25歳を過ぎたら急に太りやすくなった」などというように、統計的に体質が変化しやすい時期でもあるのでしょう。
女性に関して言えば、30代のほとんどが厄年です。
子育てや主婦として多忙になり、子供が大きくなるにつれて心配事も増えれば、何かしらの不運が重なるのも当然です。
極め付けは男女ともに訪れる61歳の厄年。
男性は定年を迎え、肩の荷が降り、急に気が抜けて心身の不安が表に出てしまうことでしょう。
女性は、旦那が家にいる時間が急に多くなれば、ストレスが溜まるのも頷けます。
このように、厄年やその他生年で運勢を占う手法は、神のお告げでも占い師の予言術でもなんでもなく、史実に基づいた統計やシステムモデルにしたがった、未来学ビジネスと言えるのです。
破壊的イノベーションに屈しないための未来学
しかし、人々の生活スタイルが大きく変われば、予言の信ぴょう性にも影響を及ぼします。
自由な働き方が普及し、女性の社会進出が進み、子供を持つ意義が薄れ、寿命が増えていったら、既存の固定化された厄年や占いのシステムは、その信ぴょう性を失っていくでしょう。
神社や占い師もうかうかしていれば、破壊的イノベーションの餌食になり、安定した収益モデルを失うことになりかねないのです。
本題に入るまで長くなってしまいましたが、今世界中で未来学が注目されています。
背景には、過去のデータの蓄積が容易になったこと、解析技術が向上したこと、技術革新の加速度が急激に上昇した結果未来の不確実性が高まっていることが挙げられます。
学問としてはもちろん、世界では、Futuristという役職を設けているトップ企業も少なくありません。
本マガジン「イノベーションマネジメントを疑う」でも、今後未来予測の手法を様々紹介していきたい所存です。
手相について(未来学に関する余談)
余談ではありますが、手相だけを見て将来を占えるかと言えば、疑わしいと感じざるを得ません。
手相のバリエーションを考えると、妥当な相関性を見つけるのは困難でしょう。
それでも人気の手相占い師が存在するのは、年齢、職業、顔相など、その他の要素と組み合わせて将来を占っているからなのでしょう。
やはりここにも、史実に基づいたモデルが存在するわけです。