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「ハイレップスの方がフォーム練習になる!」←本当か?

「初心者はまずフォームを安定させたいので、1セット10回くらいでトレーニングしていきましょう!」

ときどき聞くこの言葉。
果たして、本当でしょうか。


トレーニング初心者の場合、確かにまずは軽めの重量で、トレーニングフォームの確認からしていった方が良いかもしれません。

重めの重量ですと、フォームが早々に崩壊、またはそもそもフォームを組めない可能性すらあるでしょう。


「↑だったら、軽い重量でハイレップスやればフォームが安定するんじゃないか!?」

こういう意見が生まれるのも必然でしょう。


しかし、ハイレップスならばフォームが安定するのかと言われれば、それは違います


例えば、サイドレイズを軽めの重量でハイレップス行うとき、最初はちゃんと肩に効いていたのに、だんだんと僧帽筋ばかりに効いてきた、なんて経験をしたことはないでしょうか。

低重量&高回数のトレーニングのはずなのに、不思議な話ですね。

他にも、胸に効かせていたつもりがだんだんと上腕三頭筋に、背中に効かせていたつもりがだんだんと上腕二頭筋に効いてきてしまう、なんてこともあるでしょう。


これらの現象の説明として、「対象筋が疲労してきたから補助筋が使われ出したため」と言う人もいますが、これは違うと私は考えています。
そもそも、そこまで対象筋をオールアウトできる技術を持つ人が、「他の部位に効いちゃった」なんてヘマをするとは到底思えません。


正しくは、「フォーム(適切な骨の位置)が徐々にズレていってしまっているため、対象筋から負荷が逃げている」といったところが相当ではないでしょうか。

セット中に一度フォームが崩れてしまうと、直すためには一度トレーニングを中断して、もぞもぞと身体を動かしながら再度フォームを組み直さなければなりません。
そんなことをしていては、鍛えたい対象筋の乳酸は抜け、レストポーズ法に近いトレーニングになってしまうでしょう(レストポーズが悪いというわけではありません)。


さて、ここで最初の話に戻りますと、フォームを安定させるための手段として、ハイレップスかどうかはあまり関係がなさそうです。

では、どうするべきか。


答えは、「少ないレップ数でフォームを身体に学習させ、慣れてきたら徐々にレップ数を増やしていく」という方針になるでしょう。


例えば、野球をはじめたての少年が、気合いと根性で全くの我流でピッチングやスイングを10本3セットやったところで、残念ながら上達には遠回りです。

また極端な例ですが、フルマラソンを走ろうとする人が最初からいきなり本番の距離を走ったところで、せいぜい数km走ったあたりでフォームが乱れて腰やら膝やらが痛くなってきて、耐えきれずに途中でリタイアするのが関の山。


トレーニングもこれと同じです。

ですがトレーニングは、野球やマラソンのようにボールを打つわけでも、タイムを縮めるわけでもなく、「筋肥大させる」という漠然とした目的のもと行われるため、「見よう見まねで出来ていればOK!」みたいな考え方になりがちです


最初は慎重に、丁寧に、1回でも良いから正確な動きができるようになること、これが何よりも大切です。


先ほど、例として「サイドレイズが途中から僧帽筋に効く」という事案を挙げましたが、こういう場合、そもそもフォームが完成されていないのです。


トレーニングにおける「動き」を練習すること。

まずは、クリティカルに筋肉を刺激できる動きを1回でも出来るようになることが重要かな、と私は思うんです。


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