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ボルダリング1周年総括とボルダリングジムのグレード観
こんにちは、HALです。
以前、ボルダリングジムのグレード感についてnoteを書きましたが、なんだか一番読まれているようです。
このnoteは基本的にボルダリング初心者による初心者のための記事なので、始めたばかりの人向けに、ジムによってこんな違いがあるよ、をお届けしたかったのですが、最近、界隈で話題になっていたこともあり、おそらく読んでくれた人の大半は始めたばかりの人ではなかったかもしれません。
ちょうど始めて1周年の折、今回はひよっこクライマーとして自分自身の考えをまとめるだらだらと書くnoteにしてみました。
1年目の活動記録
Googleさんが訪問記録を残しておいてくれたので、この1年で何回くらいジムへ行ったのか数えてみた。同日2店舗の日もあるが、各施設ごとに数えている。
ホームが58回、
系列店Aが16回、
系列店Bが13回、
強ジム7回、
複合施設が2回、
計96回だった。
平均すればおおよそ週2回。
毎日のように通う方々からすれば、足りなくないか?それじゃ上達しないよ、と思われるかもしれないが、パーソナルトレーニングもバレエもヨガも、基本はいつも週1だったことを考えれば、快挙である。
パーソナルトレーニングは加圧トレなども含め7箇所は通った(3ヶ月〜1年)経験があるが、どこも必ず週2-3回を勧められるのが納得いかなかった。わたしにそんな体力はない。そんなことをしたら、寝込む。
週1筋トレで絶対に痩せられますよ!と言われて通ったパーソナルで1年後、ビタイチ変わらない体重と体組成でトレーナーのプライドを打ち砕いてきたわたしが、である。週2も!無酸素運動ができていたなんて!
ホームの現行グレードは2級、最高グレード初段、強ジムの最高グレードは5級だけど、なんとか初心者🔰は卒業できたのではないだろうか。1周年記念日には初段2本、うちひとつは一撃を遂げた。
強き人々とは比べる余地もないけれど、バレエは2年経って入門のままであることを考えれば、こちらは上達も順調なほうだと思う。褒めてくれる仲間はいないので、自分で自分を褒めていくスタイルだ。
ボルダリングに対する考え
わたしはコンペも岩場にも行かない。ただただ、趣味として室内のボルダリングを続けている。
普段はひとりでジムへ行く。人見知りなので基本的にはジムにいる人と話すこともあまりないし、知らない人の登りを見ながら「ガンバ!!!」「ナイスーーー!!!!」と心の中で全力で叫んでいるものの、口から溢れる音量は他の人には聴こえない囁きボイスになる。
そんなわたしにも話しかけてくれる親切な人がいるし、その場にいる人とセッションすることもあるのだから、ひとりでも寂しくはないし、居心地はよい。
一方で、わたし自身がボルダリングに興味を持ってから長い間トライする機会が訪れなかったので、周りにも同じような人がいるかもしれない、そんな気持ちで、飲み会のような感覚で初めてさんを誘っていたら、あっという間に人が人を呼んで30人規模(!)の団体になってしまった。ひとりでジムへ行くのとは別で、この団体のためのボルダリング会を開催している。20人弱でぞろぞろと訪れるものだから、目立っているかもしれない。
経験者は始めて1年未満のわたしだけ。今のところは毎回初参加者がいるので、ルールやちょっとしたコツだけレクチャーしたら、あとはみんなの登りを見守ったり、無理をさせないことを意識している。自分の登りはほとんどしない。後述するが、初心者に取って危険な課題が潜んでいることもあるので、初回の人が登りそうな課題はなるべく先に登って感触を確かめておく。
なお、この会ではガンバ!も、頑張って声を張っています。一応、唯一の経験者だからね。
集団でのボルダリングは、大人も楽しめる場なんじゃないかと思う。「お酒は飲めないけど飲み会の雰囲気は好き」と言う人も結構いると思うが、そんな感じ。登れなくてもみんなでワイワイしていたら楽しい。話題は壁にあるから、初めて話す人とも自然に話せる。気のいいメンバー達なので、何人かずつ固まって応援しあい、完登に湧いている姿はコンペのようだ。7級とかだけど。
そんな緩やかな会ではあるが、プライベートで行き始めたり、マイシューズを考え始めたりするメンバーも出てきているから、ボルダリング自体もちゃんと楽しんでくれていると思う。
ボルダリングジムのグレード観
前置きが長くなったけれど、わたしは基本的に各ジムの設定グレードについては、
ジム内でのグレードがきちんと比較できる(相対的比較)
他ジムと比較した甘辛感がわかりやすい(絶対的立ち位置)
の2点が揃えば、何でも良いと思っている。
この視点から見て、甘いと評されがちなホームのグレーディングが好きだ。初級グレードから細かいグレーディングで55段階式みたいになっている点が良い。
わたしはこつこつ石を積み上げて、できた山を見て喜ぶタイプだ。例えば登山も、1歩1歩が積み重なって、後ろを振り向けば「あそこからこんなに来たのか…!」と思う瞬間が一番嬉しい。先の景色より振り返った軌跡派である。
ボルダリングなら、完登数が積み重なっていくのが一番楽しい。だから、ずっと撃ち込みになってしまって完登が少なくなってしまうジムよりも、数多く登れるジムのほうが魅力的に感じる。
そして、強くなるためにはたくさん登ることが大切だと思う。まだまだ身体づくりの段階で、難しい課題ばかりで登る時間や距離が短くなってしまってはムーブの成功経験も積めず、上達から遠ざかってしまう。
もちろん、完登数を増やすにも上のグレードを落とせるようになる必要がある。そのための技術や限られた時間と体力で完登数を上げるためのテクニックも必要だ。そして磨いた技術の成果を測りたい。だから、段階式に「これとこれとこれができるようになったら昇級ですね」というシステムがある程度は機能しているジムがいいなと思っている。ホームは、そこがうまい。
その視点で見ると、ホームと比較対象にしている強ジムは、揃えていないのか、わざとなのか、同グレード内の純粋な難度や求める技術が広すぎて、正直等級の意味を成していない気がする。
ホームは、グレードで要求されるスキルやムーブが比較的明確なので、壁の中で処理を考える時、「このグレードだからセッターさんの求めていることはこっちだな」とか、「このグレードならあのホールドはおそらく悪いだろう」とか、グレード基準での判断も可能だ。
しかし強ジムや、ゲストセッターで構成される複合施設ではこの基準が広すぎて、判断がつかない。ホーム以外の施設へは初心者の子たちと行くが、初級グレードで唐突に悪いホールド、シビアなフット、体勢が悪くなりやすいデッド、難しいバランスの局面が出てくることがあり、ひやっとする。そもそも初級グレード課題が少ない中で、初めて来た人が挑戦するにはリスキーな課題も散見される。同一グレード内の乖離が激しかったり、初級からスラブだけやたらと難しかったりするジムもある。
結局、段級グレードは総数に限りがあるのだから、初級を細かくするか、上級を細かくするかしかなく、初中級は大きく括られがちなのだろう。
本来ボルダリングとは、遡って外岩クライミングとは、初心者向けのお遊びではないんだと思う。そう考えると、辛めのジムの本質が見えてくる気がする。
辛い課題をたくさん持つジムから易しい課題をたくさん持つジム間のグラデーションがあって初めて、入門から上級まで揃う、ということなのではないか。
正直なところ、格差を埋めるならジムのグレードは10級から5段くらいの形式にしないと、階級差は明確に示せないのでは、と考えている。
10級を設定しているジムは現状ほぼないと思う。そこをある程度揃えて、2段までしかないけど10級から7級も充実しています、なら初心者の方向けのジムだなと思えるし、うちは6級から5段です!なら中上級者向け、というようになるとこれから始める人にはわかりやすくていいんだけどな。外岩との整合性は取れないだろうけれど。
ジム間グレード差に在るもの
純粋にジムだけで考えてみる。
強ジムの初級〜中級グレードの幅が広いのは、課題の設定条件にも要因がありそうだ。端的に、強ジムは初級グレードから一貫して、男子コンペに立ち向かうような設定に見える。
これは、女子だと階級がだいぶ下がる。例えば170cm超えくらいの人にきちんとしたデッドをさせる想定だと、150cm台の女子はランジになることもある。ランジにならなくとも、不足リーチを補うため全手で距離出しが必要なので、一手一手にパワーが必要で、後半にへたる。
課題傾向も男子ボルダーのパルクール的なものが多いので、単純に距離があり、スタティックでの処理も難しい。
男女は前提条件でおおよそ1グレード差くらいかな、という風に見ているが、強ジムだとさらに+1グレード差が出る感じ。ホームで初段あたりを日常的に登る人たちであっても、強ジムだと男女で1グレードほど違うのだ。※インスタ調べ
逆に、ホームでわたしのようなよわよわなクライマーが初段を登れることがあるのは、ホームの初段が全般甘いのではなく、女子有利な課題設定のものも存在したりするからだ。
例えば先日わたしが落とした傾斜の初段。初段は垂壁ばかりチャレンジしていて、傾斜で戦える初段があるとは思っていなかったが、トライしてみると「わたしにとっては2Qくらいだな…?」というレベル感だった。少なくとも落とせていない他の2Qより全然楽に戦えた。
ほぼ全てがポケットで構成された課題だったのだ。やっている皆さんならもうお分かりだろう。握力が無さすぎてカチ持ちもハーフクリンプも親指添えもできず、ひたすら1年オープンで鍛えまくった(?)わたしの指先は、3本指のかかるポケットをガバと認識している。
男子は見る限りほぼ全員が2本指を選択していた。核心部で引ききれないようで、わたしでは箸にも棒にもかからないような他の初段や1Qを落とせる筋骨たくましい男性陣が、そこそこ苦戦していたのだ。ホームは大体のクリア人数がわかるような仕組みがあるけれど、この課題、初段の中でも真ん中くらいのクリア人数だから、単純なお買い得課題というわけでもない。非力なわたしが唯一逆転現象を起こせる課題だった、ということだ。
(なお、一応強ジムにも、2Qで戦えるスラブのカチ課題もあったのだけれど、発見が遅すぎて撃ち込めず、最高グレード一気に更新の夢は叶わなかった。残念🥲)
ジム間のグレード差には、単純な技術的難易度に加えて、想定されるターゲット像、課題の傾向差〈アクロバティックか保持かバランスか〉、ホールドの傾向差〈大型ホールドか小型ホールドか〉、想定以外のムーブの選択余地およびその難易度や、それらを総合しての性差、そもそものグレード別課題数配分もある。
やはり、老若男女誰もが楽しめるスポーツ・アクティビティ、というカテゴリになった瞬間、単純にグレーディング数が足りないのだと思う。どんなスポーツも、基本は男女別だしね。
ところでここまで色々書いてきて、わたしはいわゆる平均グレードのジム経験がないかもしれないことに気づいた。
2年目は他のジムにもたくさん遠征しよう。
よし、早速今月行ってみよう。
2年目に向けて
さて、だらだらと書きすぎてこの項を分けるか悩んだが、ひとまず言霊宣言だけしておく。
正直フィジカルがついてこない今、ホームでもグレードを伸ばすことは難しいと感じている。
それでも、1Qコンプと最高グレード2Dを2年目中に達成したい。まずは1Qと初段を、とりあえず全部触ることにしよう。飛び立てなくても構わない。わたしはきっと、安全(恐怖感)を重視しすぎてきたので、中級グレードの経験値が少なすぎる。
昨日、苦手な正面からのカチ乗り込み課題に打ち込んでみたところ、できるようになった。わたしの良いところは、一度できるようになった部分は再現可能になるところだ。バラシで成功した後4度トライしたが、一度も失敗しなかった。出力の感覚が掴めたこと、できるはず、という自信とイメージが持てたことが要因だと思う。
フィジカルはすぐに付いてこないけれど、まだテクニックで補える部分はたくさん残っている。
1Qをもっと撃ち込んで、憧れの強者たちとセッションしたい。
ということで、1Qクライマーになった自分をもっとイメージできるようになるぞ!٩( 'ω' *)و
最後までお読み下さり、ありがとうございました。