営業の役割は「売る」だけじゃないよね
営業に転職した26歳の頃、他社で働く友人に、仕事内容を聞かれたことがあった。
営業ってどんな仕事してるの?
真っ先に浮かぶのは「新規開拓」つまり、新しい顧客に商品やサービスを売ること。次いで、ご発注いただいている顧客の継続的なサポート。(これは分業している会社も多いかもしれない)
なんだけど、他にもあるような…?
営業だけが持つ役割
既に取引中のクライアントは、社内でも接点を持つ人がいる場合が多い。(例えば、カスタマーサポートや、カスタマーサクセスなどの部署)
一方、プッシュ型の営業組織の場合、まだ取引のない新規顧客にとって、私たちの商品やサービスとの唯一の接点は、営業担当。
まだ商品やサービスを経験したことがない方との接点を持つ、それが営業のもう一つの役割。
営業したからといって売れるわけではないし、
たくさんアポが取れるようになると、ここは売れないかもな」というアポが入ることもある。
その時に、最初から無理だなと思いながら接したり、途中で優先順位を下げてしまうことがある。
(やるかやらないかは顧客が決める。)
そこで、NGならNGでその理由を持ち帰れるかどうかで、営業としての価値は大きく変わる。
さらに、そのNGが払拭されたら、私たちの商品サービスが必要なのか?もあわせて確認できるとなおいい。
営業は売る役割と同時に「マーケティング」の役割も担っている。相手のことを本気で考えている営業が、相手の本気に心を寄せて、耳を傾けて得てきた情報は、本当に貴重なもの。
記録することで価値が上がる
正しいニーズを収集しても、それだけでは売れない。特に、過去はデジタルツールがまだ発達しておらず、こうした顧客(もしくは予備軍)の声はその営業担当に属人的な経験値として積み上がっていくだけだった。
SFAやCRM機能を備えた営業サポートツールによって、顧客のニーズを全て可視化できるようになり、営業のパラダイムシフトが起きた。
つまり、営業の役割が「売る」だけでなくいよいよ「マーケティング」も重要になってきているということ。
聞き出せたニーズを記録し、開発に適宜フィードバックしていくことで(これは個人として声を上げるという意味ではなく企業の仕組みとして必要だけど)、そのNGを払拭できる機能が搭載されることもあるし、改善にもつなげていける。
企業の商品力や信頼を上げるためにも、最前線の営業が果たしている役割はとても大きい!
突き詰めると、NG理由が「価格」であることは、あまり多くない
わたしがやってきた営業は、見積もりありきではなく、定価で購入していただくものだった。
だから、売れない時につい「価格」のせいにしてしまうことがある。顧客(予備軍)の声としても、価格が高い、というものばかりを拾ってしまったり。
でも、本当にそうだろうか?
相手のNG理由は価格なのか?
相手にとってベネフィット(利益)が感じられないからではないのか。その商品やサービスを活用することで得られるものが、支払い(価格)を下回ると判断しているからでは?
この場合、キャッシュとして利益が出る、のが最上位だけども、短期的にはそうじゃない場合もある。例えば○○を使っていることでカスタマーの信用が上がって、初めて購入した人がリピートする率が上がったとしたら、それも一つのベネフィットの形である。
これを相手に理解してもらうには、その前に、相手のNG、裏返すと相手のニーズ、を聴ききる必要があるわけだ。
例えすぐに「売る」ことができなくても、相手の意見を聴き「マーケティング」することなら誰にでもできる。(もちろんその「聴き方」にも手法はあるが)
素晴らしきかな、営業職!
「売る」だけでなく「マーケティング」も。それはマーケ部署の仕事でしょ、ではなくどっちもやれる!のである。つまり、
ニーズを集めてくるという始点
顧客に届けるという通過点
使い続けてもらうという終点
全てを実装できる素晴らしい役割が、営業職だなぁと。いかに人間がAIに代わっていったとしても、これを一気通貫で、しかも相手に合わせてカスタムしながらコミュニケーションし、ベネフィットを追求していけるのは、やはり人間の役割なんじゃないかと(今は)思っています。
素晴らしきかな、営業職!
皆さんからのサポートは、子どもたちと新しい体験をしたり、新たな学びのために使わせていただきます。