やるかやらないかは顧客が決める
26歳で営業に転職し、飛び込み営業をはじめた。
2年経つ頃には、新規営業をしながら既存の担当クライアントのサポートをする、というデュアル業務になっていた。
営業には「締日」というものがある。
週次や月次サイクルで設定されていて、獲得件数や売上などの指標が置かれている。
締日翌日に鳴った電話
この間やっぱり今のタイミングに始めるべき、って提案もらったじゃない。あれ、まだ間に合う?
締切は昨日だ。
月次サイクルの営業だったから、次にサービス開始できるのは、1ヶ月後。。
やらない、って言ってなかったっけ…
あれだけ熱心に何度も提案したじゃん…
何度も、提案した。
それでも、クライアントの答えはNOだった。
つい3日前のことだ。だから、今月はダメか、と見切りをつけてその後再度締切クロージングはしていなかった。
「今始めるべき」を考え続けてくれていたクライアント。
「今はいいよ」をただ受け取っていただけの私。
上長に報告した。
もしかしたら間に合わせることができるかも?
なんて甘い考えも少しはあった。
(もちろん、間に合わせることはできず)
今すぐ走って謝りに行け!
「おまえ、お客様のことなんだと思ってんの。
裏切った罪は相当重いと自覚しろよ。
今すぐ謝ってこい!ダッシュで!」
文字通り、営業所からクライアント先まで猛ダッシュで走って、謝りに行ったら、爆笑された。
「わざわざ、来てくれたんだ。ありがとう。
何回も熱心に提案してくれたから、やっぱり申し込もうと思ったんだよね」
これは営業として相当恥ずかしい。
自分でチャンスを捨てた。
営業売上のチャンスではなく、
相手の期待や信頼に応えるチャンス。
相手のビジネスの売上をサポートするチャンス。
このタイミングで”わざわざ行ける”なら、前の日になぜ行けなかったか。
やるかやらないか決めるのは顧客
それをキャッチするのが営業の仕事。
ジャッジするのが仕事ではない。
新規でも、既存のクライアントでも、自分が提案した商談は絶対にクロージングする。当たり前なんだけど意外と出来ていないことが多かったのかも。
提案しっぱなし、投げっぱなし。
それなら、営業が介在する価値はない。ゼロ。
勝手に「ここはNG」と決めつけず、投げたボールは返してもらおう。
ボールが手元にあれば、また投げることができる。
皆さんからのサポートは、子どもたちと新しい体験をしたり、新たな学びのために使わせていただきます。