オンライン時代のビジネスコミュニケーションについて考えた②
前半は→こちらから。
「コミュニケーション」とは、意思や思考をお互いに伝達しあう営みのこと。「伝達」伝えて→達する、つまり相手に届かなければ、コミュニケーションは成立しない。
相手に届く「情報=記号」は、ことば、表情、身振り手振り、匂い、息遣い、etc.といった、周辺視野からの情報も含まれる。私たちはその記号に自分なりの意味を付与して、相互に届けようとしている。
周辺視野の変化
オンライン化によって、まず、周辺視野に変化が起きた。発信側の声はデジタル回路を通してほぼリアルに聞こえてくるものの、表情、息遣い、といった、ことばの周辺に存在していたものが見え難くなった。
なんとなく「見えていた」情報量の多さ、領域の広さに驚いている。
前半の①でこう書いた。
わたしと相手は“違う“と知覚する
相手の世界に入る
相手の発信スタイルに適応する
この3つ目
人とのコミュニケーション(意思や思考をお互いに伝達しあう営み)において発露している情報からその人のコミュニケーションタイプを分析し、それに適応して対応を変容させていくこと
が極めて難しくなったのである。
しかもそれは、わたしが相手を見極めにくくなった
のみならず
相手もわたしを見極めにくくなっている。
当たり前のようだけども、営業パーソンにとっては大きなパラダイムシフトが起きつつある。
「感じがいい」営業パーソン、の定義が変容している
対面営業の場合、相手のコミュニケーションスタイルやタイプを見極めて(上記の3つ目)適応させていくことが大事、だったのだが、
オンライン上のやりとりでは、周辺視野が狭まった(視覚情報が限定される)ことによって、聴覚情報に重きが置かれるようになったのではないか、と推測する。
もとは、言葉そのもの、以外の情報の割合が多かったのに、言葉そのもの、の比率が高まったからだ。
発信側の、発話「量」「中身」の”無駄”を省けるか。
相手が必要な情報だけ、を言葉で伝えられるか。
よい「間合い」を作れるか。
これは、かなり難易度が高い。
対面コミュニケーションでもこのスキルが高い人はいて、もちろん営業成果を上げている人が多いのだが、実は対面の場合はそこまで言葉をシャープに磨き上げなくても、周辺視野からの情報が助けてくれていたのではないか。
オンライン営業での必須スキルは「情報編集力」
2010年頃から、VUCAの時代と言われ、松岡正剛さんや藤原和博さんがいつも話されている「情報編集力」。covid-19を契機にオンライン化が進む中で、営業パーソンにとって、いよいよ避けられない必須スキルになってきたと感じる。
相手が欲しい情報を
相手に伝わる方法で
伝達(伝え、届ける)する。
この、「相手が欲しい情報」を作る力。
正解が見えない中で、自分なりの見立てや解釈をつくり、言葉に落とし込み、プレゼンテーションする力。
事実を捉える→自分なりに解釈する
具体的な仮説を立てる→数字に落とし込む
情報編集力は、マニュアル化、型化することができないスキルだ。
藤原和博さんによれば、正解が1つではない問題で仮説を出すことだと。自分の知識・技術・経験のすべてを組み合わせて仮説を出していくこと。しかも、他者にも納得される「納得解」。
コミュニケーションリテラシー
ロジカルシンキングリテラシー
シミュレーションリテラシー
ロールプレイリテラシー
プレゼンテーションリテラシー
なかなか、訓練するのは難しいものの、
新人研修の中で、いくつかコンテンツを入れていた。
例えば「共通点探しゲーム」
とにかくたくさんの共通点を出せたチームの勝ち。
最初は、メガネかけてるとか、髪が茶色いとか、白い服着ている、とかから始めてもいいけど、見た目だけでは限界がくる。だから、お互いの世界観を探りあっていくことになる。
どっちも野球好き!とかのレベルではなく、「××にいた○○選手を高校時代から注目してた」とかだとなおいいよ、というもの。
実はこれは、情報編集力を鍛える他にも、チームビルディングにも役立つゲームだったりして。
ちょっと本題からずれましたが、わたし自身も、情報編集力を上げるためのトレーニングをしています。このnoteを書いているのも、その一環。
皆さんからのサポートは、子どもたちと新しい体験をしたり、新たな学びのために使わせていただきます。